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静かな森の湖で、水が揺れる音だけ聞こえる

膝まで脚をつければ水面に映る月も歪んで

「ほんとに、私みたいね」

ガサッと草が揺れ頬に当たる心地よい風

「ユンギ…また見つかっちゃった」

YG「A、一人で居なくなるな…」

「でも見つけてくれるじゃない」

YG「…当たり前だろ」

木の幹に寄りかかったユンギに背を向ける。

だって、涙が落ちてしまいそうだったから…

いつもそばで見守り背中を押してくれた。

そうやって当たり前に私を見つけ出してくれるから

私も誰かに必要とされていると感じて居られた。

いつの間にかボロボロと落ちてくる涙に顔を覆った


あの後、ジミンという男に伝えると

あのままお母様を人質に、

明朝まで好きに過ごしても良いと言われ

この湖に来ていた。

ミアは医者の元に連れて行かれ、ナムは…

ずっと下を見ていたから、どんな表情をしていたか

分からないまま部屋を出てきた。

すぐに向き合えそうになかったから…



これで良かったと思っても、本当は怖くて怖くて

逃げれるものなら逃げてしまいたい。

ガサガサッと音がして顔を上げると

「ぁ、ナム…」

少し俯いて歩いてきた彼に

YG「…行ってる」

そう言って居なくなると、また2人に沈黙が戻る。

ズボンもそのままで水の中に入って来たナムは、

目の前に立つと私の肩を掴んで声を震わせた。

NJ「どうして…あんな事言ったんだ」

「…ああするしか無かったでしょ?」

そう言うと、掴んだ手にグッと力が入った

NJ「なんで君が行く!!約束したじゃないかっ
自分自身を大切にすると…君に頼んだじゃないか」

「ミアがあの場で死んでも、私は連れて行かれるわ
私が行けば、全てが上手く収まるのよ…」

NJ「今から2人で遠くへ逃げようっ」

「っそれができない事は分かってるでしょう?
大丈夫…、ミアは明るくてナムを愛してるから

だからきっとっ…っ」

引き寄せられて腕の中に収まった私。

彼が震えている事にも気づいていた。

NJ「やめてくれっ…聞きたくないっ」

私だってこんなこと言いたくない

泣いちゃダメだと言い聞かせて、

「2人ならっ…いつかきっと幸せになれる」

NJ「っ…僕の気持ちは、どうするんだ…っ」

首元から伝う雫が体へ流れ込む。

哀しみ、小さな怒り、そして愛と痛み

彼の背中に腕を回して、力一杯抱きしめた。

「全てここへ、置いていきましょう
この水が綺麗に流してくれるから…」



さようなら、私の愛しい人

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リウ(プロフ) - 麻央さん» 初めまして(^ ^)お立ち寄りいただきありがとうございます。引き続きお楽しみいただけるよう頑張ります(o^^o) (2020年6月10日 11時) (レス) id: e661a1f981 (このIDを非表示/違反報告)
リウ(プロフ) - ゆなさん» 初めまして(^^)たくさん読み返していただき嬉しいです。ありがとうございます。続編も出したのでそちらもぜひ宜しくお願いします(o^^o) (2020年6月10日 11時) (レス) id: e661a1f981 (このIDを非表示/違反報告)
麻央(プロフ) - リウさま、初めまして。作品拝見しました。綺麗なタイトルに惹かれ、読み込んでいくうちに、物語の奥行きに圧倒されました。とってもあたたかく、胸が焦がれるような作品ですね。続きを楽しみにさせて頂きます^ ^ (2020年5月31日 21時) (レス) id: 9d4977984c (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - はじめまして!!このお話好きすぎてもう何回も読み返しています!続編楽しみに待ってます! (2020年4月29日 19時) (レス) id: 7b504efb24 (このIDを非表示/違反報告)
リウ(プロフ) - カナタさん» ありがとうございます(^^)楽しんで頂けているようで、私も嬉しく思います。引き続き頑張りますので、どうぞ最後までお付き合いくださいね。宜しくお願い致します(^^) (2020年2月21日 2時) (レス) id: e661a1f981 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リウ | 作成日時:2019年5月28日 6時

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