ウンディーネの泪

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もうこれ以上、黙って居られなかった

あれから4年半も過ぎてしまった。

城ではたった4年だと言う奴も居るが

Aが居なくなっても、確実に時は進み

ひとつひとつ新しい事が起きていく。

ナムジュンとミアが式を挙げる事になったのだ。

つまり、正式に夫婦となりこの国の王になる。

Aを見てきたユンギには、あまりに残酷だった。

誰が望んだ結果なのか…

結局、ミアの思い通りに事が進んでいるじゃないか

嫌いでは無いが、どうしもミアに腹が立った。

何も無かったように笑って過ごすミアへ

湧き上がる怒りが向かっていきそうなのを耐えていた。



ユンギは必要最低限の荷物と大事な剣を持ち

城の外へ向かい歩き出した。

『お待ち下さいっ！ユンギ様！』

『何をなさるのおつもりですか！
お部屋にお戻り下さいませっ！』

引き留めてくる兵達をあしらい、城門まで出る。

NJ「ユンギさんっ！！！」

後ろから聞こえたその声に、脚を止めた

NJ「どこに行くつもりですか！
まさか、Aの所へ…？」

YG「それ以外に何がある。もう時間が無いだろ…
この国もこのままじゃ滅びる、Aが必要だ」

NJ「っ、そんな事したらこの国が戦場になります！
それに…Aとはあの日、終わったんです」

YG「ほぉ、毎夜あの湖に行ってるくせにか？
ミアの瞳を見た時、目を伏せるくせにか？」

この男にも腹が立っているのだ。

俺がお前よりもっと優れて居たら、

Aの隣には俺が居たかもしれないのに…

俺が欲しくて欲しくて、仕方なかった

その場所へ、簡単に立っていたくせに…


NJ「今すぐは無理でも…
きっといつかミアを愛せる日が来る。

もしこの地が枯れ果てたなら、新しい場所で
新しく築き上げれば良い、そこで始めれば良い」

YG「てめぇっ！今自分が言ったことの意味
分かってんのかよ！？あ！？」

ユンギの怒りが湧き上がった途端

地面からドンっと押し上げられるような感覚と共に

突風で土埃が舞い、門の石壁がボロボロと崩れた。

YG「この地が枯れ果てる時はなぁ！
Aが死んだ証拠なんだよ…！！

お前なんかに譲った俺が馬鹿だったな…
Aは俺が貰う」

NJ「っ！！まさか、そんな事どこにも…
…でも、僕はこの国の人達を守る責任があります。

例えユンギさんでも…
それを危ぶめるなら容赦はしません」

YG「手加減しねぇぞ」


大地は音を立てて地面を盛り上げ、

風はいくつもの竜巻を作り上げた。

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