-ver.sky blue- 12 ページ26
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スタッフ「じゃあ 一周乗ってリハするんで香椎さんと鈴木さんお願いします」
「…え、乗るんですか？」
スタッフ「はい、中でディレクターとリハしますよ」
(乗るの一回だけって言ったじゃん…！)
伸之「www」
伸之は、冷や汗垂らして今にも倒れそうなAを見て笑いを隠そうともしない。
伸之「大丈夫だよ、俺も一緒に乗るから。」
「はあ、(それの何が大丈夫なの？)」
伸之(あ、俺今ちょっと格好良いこと言ったんじゃない？)
噛み合わない二人を乗せて、1周目の観覧車が出発した。
スタッフ「で、鈴木さんはこちらに座ってもらって 香椎さんがここに立って…」
伸之「え、Aちゃんが立つんですか？！」
スタッフ「はい、立ってもらおうかと思ってますけど」
伸之「…出来るの？」
「……で、でででで、出来ます…」
伸之「これはちょっと…」
スタッフ「ですね。他のやり方考えます」
観覧車の椅子に座り、伸之の腕にガッツリ絡みついて外を見ないようにしているA。
“無理です”とは言いたくないらしく、めちゃくちゃ吃りながら出来ますと言ったAの頭を苦笑いして撫でてやる。
伸之「こわい？」
「……(フルフル)」
伸之の問いに首を横に振る。
伸之「はは、なんでそこで強がるの」
「つ、強がってないです」
伸之「じゃあ俺の腕離して？」
「……」
伸之「ん？」
「っ、」
ここぞとばかりに余裕を見せられたことが悔しくてゆっくりと伸之から身体を離したA。
しかし、
ガタンッ
「うぎゃっ！」
突然強く風が吹き、機体が揺れる。
Aは慌てて伸之に飛びつくと
「怖い怖い怖い！ごめんなさい無理、許してくださいこわい…！」
伸之「わかった、わかったから、よしよし笑」
我を忘れて喚く。
そんな彼女の様子に どんだけ高いとこ嫌いなんだこの子と、少し可哀想になってしまった。
スタッフ「…ボク達なんか悪いことしてる気分になっちゃうんですけど」
伸之「まあ、確実にカジノスタッフはAちゃんに嫌われましたよね。」
まあ俺は、Aちゃんの方からしがみ付いてくれるなんて美味しすぎるシチュエーションを作ってくれたスタッフに感謝してるんだけど。
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作者名：とまと野郎
| 作成日時：2014年12月25日 15時
