《番外編》 おかえり *2 ページ43
2014年に、突然私に訪れたあの不可思議な出来事を、今でもずっと覚えてる。
正確に言えば、忘れないようにずっと思い出しては反芻してる。
細かいことは残念ながら忘れてしまってきてるけど(寄る年波には勝てないということか・・・)、一番大事なところはずっとずっと大切にしまってある。
あの時、2004年の翔に逢って。
その後、2014年の翔に再会して。
そして、2017年の今、こうやって翔と一緒に過ごしてる。
やっぱり、いまだにちょっとどこかズレたりする翔だけど(苦笑)、それでも私と同じ景色を見てるのが分かる。
同じ想いでいるのが分かる。
歩いて、行き過ぎたら、立ち止まって。
振り返って、互いを確認して、目を見て。
そして、手を繋いでまた歩き出す。
そう出来るようになったから。私たち。
今日の翔、変だと思ったんだよね。
完全に心ココにあらずで。
意識が彷徨ってる感じで。
しきりに眉間に皺寄せて考え込んでんの。
突然今年が西暦何年か訊いてくるし。
状況を探ってるのが、見てて分かったもん(笑)
翔の髪をなぞる。
おでこを、鼻を、頬を、瞼を指でなぞる。
「くすぐってぇって！(苦笑) 何だよ。」
「別に？(笑)」
翔の存在を確認するように、首筋を、肩を辿っていく。
「だから何って(笑)」
「ふふん(笑)」
今、2人がここにこうやっているのは、必然が重なったから。
そして、小さな奇跡が集まったからでもあるんだって、私は知ってる。
その奇跡の連なりを抱きしめるように、翔の頭を抱き寄せる。
「おかえり。」
おかえりなさい、翔。
って、今こんなこと言ったら「はぁ？！」って言うんだろーな。
何言ってんだ、今頃、みたいな顔して(苦笑)
でも、予想に反して、翔は柔らかい笑みを浮かべたと思ったら、顔を近付けてキスをした。
そして。
「ただいま(笑)」
その瞳の奥が笑った気がした。
頬を撫でる掌の温かさに、すっぽり閉じ込められる腕の中の匂いに、こんなにも安心する。
おかえり。
ただいま。
小さく呟いてみる。
それを聞いてたのか、翔がクククッて笑う。
聞かれた、と思って、私も一緒にくすくすと笑う。
おかえり。
ただいま。
翔も小さく囁く。
二人で笑う。
お互いを抱きしめる。
ここが、私たちの帰る場所。
おかえり・完
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羊羽(プロフ) - うさぎ丸さん» 初めまして☆こちらこそ、読んでいただいた上に嬉しくなる感想いただいちゃって感謝カンゲキ雨嵐です。楽しんでいただけたならこれ幸い、書いた者冥利に尽きます(○´艸｀)他のものも楽しんでいただけると嬉しいです♪ (2015年6月27日 9時) (
レス) id: 9e1708fadb (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ丸 - 初めまして！櫻井担です♪素敵なお話、ありがとうございましたm(_ _)mこんな素敵な作品を読めて嬉しかったです♪作者名から羊羽さんの他のお話、拝見しに行きます(^o^)v (2015年6月26日 18時) (レス) id: af0ac92990 (このIDを非表示/違反報告)
羊羽(プロフ) - ポヨリンさん» こちらこそ、嬉しい感想ありがとうございます〜〜！深謝☆ (2015年3月10日 11時) (レス) id: 9e1708fadb (このIDを非表示/違反報告)
ポヨリン(プロフ) - お疲れ様でした。素敵な作品をありがとうございますm(_ _)m (2015年3月8日 23時) (レス) id: faa9497605 (このIDを非表示/違反報告)
ポヨリン(プロフ) - 羊羽さん» ぜひ！来てください！今、更新真っ最中です。ぼちぼちしか更新していませんが一言いただけるとありがたき幸せ。 (2015年2月28日 11時) (レス) id: faa9497605 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羊羽
| 作成日時：2015年2月10日 14時
