黄色短編集 (ページ21)

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Waiting for you　　　☆5 ページ21

何で、そんな魔が差したのか分かんない。

分かんないけど、私が次の瞬間したことは、そいつの手を引いて玄関の中に入れるという行動だった。

「冷えきってるじゃん。シャワー浴びさせてあげるから。」

ずっと感情の読めない、ただ犬みたいに見えてた目に、驚きが浮かんだ。

「その代り、今ボディーチェックするからね！」

そいつの服のポケットや、何か入りそうなところを、税関でやられるような動きで確かめる。

何も無い。

財布も。
鍵も。
免許証も。

ホントに何にも持ってない。

「――――不審なモノ、なかった？」

そいつが言った。

あんたが一番不審なんだけど☆

そう言ってやろうかと思ったけど。

「なかった。いいよ、シャワー浴びなさい。背後に立たれると怖いから、前歩いて。」

「なんもしないよ？」

「そんなん、分かんないでしょ！(怒)」

前を歩かせて、バスルームへ向かわせる。

バスルームでさっきのタオルを渡し、

「シャワーの使い方くらい分かるよね？濡れた服はその洗濯機の中に突っ込みな。洗濯してあげるから。じゃ！」

バタンとバスルームのドアを閉める。

バスルームのドアの外で聞き耳を立てる。

何かゴソゴソしてる。

『ガチャ。バサバサバサッ。』

あ、洗濯機の中に服入れた？

『カチャリ。』

風呂場に入った？

『シャーーーーーーー・・・・・・』

よし、とりあえずちゃんとシャワー浴びてるようだ。