togeter, forever ☆3 ページ3
コト。
と床の上に何かを置く音がした。
ふと、そちらの方を見ると、コントローラーを置く音だった。
反射的に顔を上げて、二宮を見る。
こっち見てる。
手が伸びてくる。
思わず居竦む。
壁と二宮の間に挟まれる。
「・・・・・何？二宮。」
もう、鼻と鼻がくっつくほどの至近距離で。
瞬きする睫毛が触れるんじゃないかっていう距離で。
二宮が口を開く。
薄笑いを浮かべながら。
「二宮くん、だろ？」
言葉と一緒に洩れる息に呪縛される。
・・・・・・何よ、これ。
ズルい。
ズルい！
ズル過ぎ！！
ズルイって分かってるのに、身動きが出来ない。
せめてものの反抗で睨みつける。
―――でも全然効き目ないし！
私の視線なんて腕に止まった蚊以下らしく、払い除ける気配もない。
絡んだ視線に意思を奪われ始める。
欲しくて。
この、目の前の男が。
奪われたくて。
この、目の前の男に。
「・・・・・何で泣くよ(苦笑)」
言ってる意味が分かんない。
私、泣いてなんかないんだけど。
泣いてるつもりなんてないんだけど。
「泣くほどオレのこと好きなんだー。」
口元に浮かぶのは相変わらず意地の悪い薄ら笑いなんだけど。
目元に優しい笑みが浮かんでて。
それが自分に向けられてるのが、震えるほど嬉しくて。
泣きそうになるほど幸福で。
「服、脱いで？」
耳元で囁かれると、もうどうにもできやしない。
操り人形みたいに指が首元に伸びて、シャツのボタンを外し始める。
その手を、二宮の手が止めた。
白く優しい手が、私の手を掴む。
「・・・・・バッカだな、おまえ。」
ゆるりと私の手から離れると、その手は私のシャツのボタンを外し始めた。
「何、ホントに言いなりになってんの(苦笑)」
するりとシャツが下ろされて、肩が露わになる。
その指が。
繋ぎたくて、握りたくて、焦がれていたその指が、ツーッと私の頬を滑る。
「おまえ、答え分かってんのにオレに相談したんだろ？」
薄茶の眼球が私だけを見つめる。
「オレに止めて欲しくって相談したんだろ(苦笑)」
唇が近付く。
あと５�弌�
だけど、触れてくれない。
近付いた彼の鼻先を、唇を見つめる。
「・・・・・言ってみ？」
小さな、小さな声で呟く。
「Aがホントに欲しいのは誰だよ。」
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作者名：羊羽
| 作成日時：2015年1月9日 10時
