【wrwrd】目の前に推しがいるんだけど！？【d!】【軍パロ】

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思わず顔を逸らした。外したフードを被る。ずっと一緒だった狐のお面を付けて、手袋を拾った。

どうにか逃げ出したい衝動と、胸の奥から湧いてくるこの形容し難い感情を押し殺し、その場に留まる。
過去の自分を慰めようと声をかけてくださった総統様に何と返せば良いのか分からない。
ただただ、無音が続いた。



『夜ご飯、食べないと冷めてしまいますよ』

折角作ってくださった夜ご飯が勿体ない。
僕が言った言葉と共に待機していたであろうメイドさんたちはゆらゆらと湯気を立てた料理皿を持って、食堂へと入室してきた。

ずらりと美味しそうで豪華な料理が並ぶ。いつの間にか総統様も座ってらっしゃって、僕はショッピ様に視線で示されて隣の席に座った。向かいはチーノ様。ゾム様はチーノ様の2つ隣の席に座っている。

総統様の合図で皆様食べ始める。けれど、ひとらんらん様だけは倭国と呼ばれる、あの極東にある国の文化を取り入れ、食べる前に手を合わせられていた。
倭国には行ったことがないはずなのに、体がそれを覚えていた。箸を手にして、料理を口に運び、はっとしたときにはもう遅かった。


ht「お前…」

その声に再び注目の視線が集まる。皆が皆、ひとらんらん様の次の言葉は何かと、また喧嘩をしようならばすぐに止めようとじっと見ている。

ht「もしかして、倭国出身？」

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