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どんなに遅くなっても、

彼は来てくれるーーーそう思っていた。



慌ててドアを開ける。



そこには薄汚れたTシャツ姿の透さんが居て。



ところどころ見える痛々しい傷に、

明らかに、あの場に居たであろうことが安易に想像できた。




「…とりあえず、どうぞ」

「いや、ここで…」

「ダメです。手当て…しますから」



一瞬躊躇した透さんだけど、

私が強く念を押すと観念したように私のアパートに足を踏み入れた。



それでも靴を脱ごうとはせず。



そんな透さんの手を握って、そっと促した。




「そこ、座っててください」

「あ、ああ…」



無理やりソファに座らせると

洗面台からお湯を張った桶とタオルと、

そして救急セットを持っていく。



私は医者ではないから大したことは出来ないけど、

少しでも応急処置でもと思う。



服を脱いでもらうと、背中全面が青く痣ができ、

そして額にも深い傷があった。


その場の激しさが嫌でも分かる、そんな傷。



透さんも、私も、

なにも言葉は発さず、静かな空間で応急処置を施す。




ーーー貴方は誰ですか。



喉元まで出かかる言葉を押し殺した。



私は手元に集中していたけれど、

痛いほど透さんの視線が突き刺さる。



視線をあげるとそれが絡み合い…




やっぱり、



私は貴方を知らない。




私は、そんな瞳の人は知らないーーー…

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設定タグ:安室透 , 降谷零 , 名探偵コナン   
作品ジャンル:アニメ
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NANA(プロフ) - アオさん» アオさんありがとうございます!訂正してきます^ ^ (2018年5月4日 10時) (レス) id: 33232cc3d6 (このIDを非表示/違反報告)
NANA(プロフ) - 薔薇さん» 薔薇さん初めまして。楽しんでもらえて嬉しいです^ ^続きもよろしくお願いします^ ^ (2018年5月4日 10時) (レス) id: 33232cc3d6 (このIDを非表示/違反報告)
NANA(プロフ) - ちりさん» ちりさん初めまして。キュンキュンしてもらえて嬉しいです。更新頑張ります^ ^ (2018年5月4日 10時) (レス) id: 33232cc3d6 (このIDを非表示/違反報告)
アオ - 安室さんに仕事は休みをとったのは、夜のうちに言っていましたよ? (2018年5月4日 9時) (レス) id: 95a693fe0b (このIDを非表示/違反報告)
薔薇 - とても素敵なお話で、更新を楽しみにしていました。執行人編、とても楽しみにしております。 (2018年5月4日 0時) (レス) id: cb8b72a93d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:NANA | 作成日時:2018年4月28日 16時

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