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あの一件以来、リョウタたちはこれまでの給仕と顧客という距離感を少しずつ詰め始めた。
はじめは、リョウタが声をかけることに対して一言二言を返す程度だったコウジも、少しずつ心を開き始めた。
人見知り代表と言っても過言ではないショウタも、コウジが意外と天然な受け答えをする様子や、接客の時とは異なる天真爛漫な笑顔を見る機会が増える度に、自ら話しかけることも増えた。
コウジのことも、随分と詳しくなった。
関西から上京をしてきており、近所の公立高校に通いつつ劇団員として活動をしていること。
好きな食べ物は青椒肉絲で、玉ねぎが入っているのがコウジの家の味だということ。
演技の幅を広げるために、関西弁を封印して普段の自分とはかけ離れた姿で働くこの職場が楽しいこと。
実は、ドアマンのオカダも関西の出身で、アクションを教わったりと可愛がってもらっているということ。
そんな時、３人の関係が友人へと大きく変化するきっかけとなる出来事が起こった。
この日もリョウタはブラックを、ショウタはガトーショコラとミネラルウォーターを頼んでいた。いつものようにセッティングしているコウジに、ショウタが突然声をかけた。
「なぁ、俺らのこと。今日から様づけで呼ぶのやめてくんない？」
「えっ？！」
コウジは驚きのあまり、ショウタに渡そうとしていたフォークを手から滑らせた。ショウタは易々とキャッチして、早速ガトーショコラを一口頬張る。
「あぁ！すんません！」
「いいから。な、どうなの？」
「いや、でもお客様やし…。」
パニックを起こしているのか、時々しか出てこなかった関西弁が出てしまっているコウジに、リョウタは微笑んで助け船を出した。
「俺もコウジにそう呼んで貰えると嬉しい。この部屋に俺たちと居る時だけでもいいから。」
「うぅ…せやけど…なんでいきなり…。」
「俺らだけいつまでも様づけとか嫌なんだよ…。」
「確かに。コウジ自身が嫌じゃなければ、俺たちのお願い聞いてくれないか。」
ショウタとリョウタの熱い視線に、コウジは白旗をあげた。
「かしこまりました…。お部屋に居るときは、お言葉に甘えさせていただきます。」
「よし、絶対だからな！」
「ありがとう、コウジ。」
普段あまり感情を見せないリョウタまで嬉しそうにする姿を見て、コウジもつられて笑った。
「早速呼んでみて。」
「今ですか？！」
「俺も、聞きたいな。」
「も、もう少し心の準備をさせて下さい！」
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比呂(プロフ) - 初めてコメントいたします！ゆりこじが大好きなのでこの小説を見つけたときはすごく嬉しかったです！一気に読みました！�兇眛匹澆泙靴拭�これからも楽しみにしております！ (2021年5月20日 22時) (
レス) id: a496cb4725 (このIDを非表示/違反報告)
ろこ(プロフ) - ゆ〜さん» ゆ〜様 コメントありがとうございます。少しずつお話のテンポあげていきますので、楽しみにしていていただけると嬉しいです。 (2020年2月19日 0時) (レス) id: c2ca1181c3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆ〜(プロフ) - 有閑倶楽部もスノも好きなのでこの作品に出会えて感動してます！笑 続き楽しみにしてます！！ (2020年2月18日 2時) (レス) id: 59480d1b07 (このIDを非表示/違反報告)
ろこ(プロフ) - 、さん» ご指摘下さりありがとうございます。確認が甘く不快な思いをさせてしまい申し訳ございません。 (2020年2月18日 1時) (レス) id: c2ca1181c3 (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグ外て下さい。違反ですよ (2020年2月17日 16時) (レス) id: 5d9d69443a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろこ | 作成日時：2020年2月13日 21時
