1 百合組の非日常 ページ5
とある木曜日の放課後。
ショウタとリョウタは、並んで学園を出た。いつもなら校舎を出たところで車に乗り込むのだが、今日は二人とも徒歩だ。
「お前、本当にあの店好きだよな。」
「まあね。けど、無理して毎回付き合わなくてもいいんだよ？」
「別に、無理なんてしてねえよ。」
月に何度か、リョウタはお気に入りの会員制喫茶店に出向く。初めは一人で通っていたのだが、ことあるごとに行動を共にするショウタもいつの間にか一緒に通うようになっていた。学園から歩いて30分ほど、広い総合公園を抜けた先にある閑静な住宅街にその店はある。一見風情のある洋風の一軒家にしか見えないので、一般の人も誤って入ってくることはない。門を抜けて年季の入った重そうなドアの前に立てば、触れずとも勝手に開いた。
「リョウタ様、ショウタ様。ようこそおいでくださいました。」
全ての顧客を把握しているガードマンが、二人を招き入れた。
「お久しぶりです。今日もよろしく。」
「どーも。」
にこやかに対応するリョウタに対して、人見知りのショウタは少々硬い声で挨拶した。
(強そう過ぎて心強いってより怖いんだよな…。)
心のなかでショウタはため息をついた。すると、店の奥から小走りでこちらに駆け寄ってくる足音が聞こえた。そちらを見やれば、焦げ茶の髪をぴょこぴょこと靡かせる男の姿があった。
「お待たせいたしました。リョウタ様、ショウタ様いらっしゃいませ。」
深く一礼をするギャルソンは、顔をあげるとにこりと笑顔をみせた。店に漂うはりつめた静けさを和らげるような笑顔に、ショウタも肩の力が自然と抜けた。
「コージ。いつもの部屋、あいてる？」
「はい。ご案内いたします。」
コージの案内で二人のお気に入りの個室に入る。古い喫茶店のような落ち着いた雰囲気のある部屋は、高級感漂うこの店の中で最も二人がゆっくりと時間を楽しめる場所だった。
コージが扉を閉めた瞬間、着席していたショウタが大きくため息をついた。
「はぁあああああ」
「まだそんなに緊張するの？」
「だーってオカダさん、めっちゃ強そうじゃん。冗談言ったりしたら四の字固めされそう。」
「さすがにショウタにはしないって。」
ショウタの言葉に、リョウタは呆れたと言わんばかりにため息をついた。
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比呂(プロフ) - 初めてコメントいたします！ゆりこじが大好きなのでこの小説を見つけたときはすごく嬉しかったです！一気に読みました！�兇眛匹澆泙靴拭�これからも楽しみにしております！ (2021年5月20日 22時) (
レス) id: a496cb4725 (このIDを非表示/違反報告)
ろこ(プロフ) - ゆ〜さん» ゆ〜様 コメントありがとうございます。少しずつお話のテンポあげていきますので、楽しみにしていていただけると嬉しいです。 (2020年2月19日 0時) (レス) id: c2ca1181c3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆ〜(プロフ) - 有閑倶楽部もスノも好きなのでこの作品に出会えて感動してます！笑 続き楽しみにしてます！！ (2020年2月18日 2時) (レス) id: 59480d1b07 (このIDを非表示/違反報告)
ろこ(プロフ) - 、さん» ご指摘下さりありがとうございます。確認が甘く不快な思いをさせてしまい申し訳ございません。 (2020年2月18日 1時) (レス) id: c2ca1181c3 (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグ外て下さい。違反ですよ (2020年2月17日 16時) (レス) id: 5d9d69443a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろこ | 作成日時：2020年2月13日 21時
