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結局その後、Aとジフンの互いで顔を真っ赤にして段取りの確認が終わった。Aは自分の痕がジフンに見られていることに悶えながら、ジフンは恥ずかしそうにジフンの名を呼ぶAに射抜かれながら、の終了である。一体何処のバカップルであろうか。否、付き合ってもいない。
ジフンの「露出多め」の言葉通りにAの格好は襟ぐりが深いT-シャツに、ランニング用のショートパンツという軽装備である。レギンス無しのそれの破壊力は最強である。ジフンに自撮りの写真を送ったら既読スルーをされたという悲しい結果になったが。
ジニョンが来るまでは、と羽織ったパーカーだが、その後すぐにコンシェルジュから連絡が来てしまった。ストレッチをしながらインターホンが鳴るのを待った。
「ベベ〜、はぁい」
風呂上りだったのか幾分かさっぱりした長い前髪にお揃いだ、とぼんやりAは考えた。扉を閉めるなりハグをされて相変わらずスキンシップ過剰、とジニョンに向かって呟く。
「彼女いるじゃん、立派な浮気」
「別れた」
「へー、っては??」
「束縛きついから別れた」
確かにこんな美丈夫が彼氏ならば束縛もキツくなるかもしれない。Aは若干ジニョンの元彼女に同意しながらジニョンの背中を軽く叩いた。しかし昼頃までは同様の発言を否定しなかったのに、とAは疑問を抱える。
ジニョンは随分と不貞腐れた様子だ。Aがソファにぼすんと寝転がると覗き込んだジニョンが目を見開く。
「ねぇ、…この痕誰がつけたの」
「ベベには関係ないでしょ」
「ヌナ?」
唐突なヌナ呼びにAは心臓が飛び出すかと思った。ジニョンは厳しい顔付きでAの体を眺める。昼間のシーンがフラッシュバックしてAは顔を赤くしないように心の中で聖書の2ページ目をめくる。
頭の横にはジフンのジャージが放置されている。唇はジフンに託された色で彩られているし、鬱血痕も晒した。これでミッションは成功するのだろうか。
紅く潤ったジフンの唇を部活のときに見た。ジャージが何故かある。しかもヒントは幾つかあって、でもまさかジフニヒョンが?とジニョンの疑問は絶えない。しかし、Aの耳を捉えたとき推測は確信に変わった。
ジフンが思わずと言った様子で落としたピアスを見た。しかも拾って渡したくらいだ。間違いない。同じピアスだ。現に片方しか付けていない。
「ジフニ、ヒョン、でしょ」
Aの目が僅かに開いた。確定である。
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こー - いえいえ!わざわざありがとうございます(涙)楽しみにしてました!読ませていただきますね! (2020年5月25日 0時) (レス) id: 15c5b103b3 (このIDを非表示/違反報告)
FIX(プロフ) - こーさん» 遅れてしまい、大変申し訳ございませんでした。今日やっとお話あげたので、まだ気があれば是非読んで下さい。感想待ってます。 (2020年5月21日 10時) (レス) id: e6fb1d1801 (このIDを非表示/違反報告)
こー - お久しぶりです( ^_^ )投稿したお話って何日くらいしたら見れるんですかね?? (2020年5月20日 23時) (レス) id: 15c5b103b3 (このIDを非表示/違反報告)
FIX(プロフ) - こーさん» コメントとても嬉しいから大丈夫ですよ〜笑笑 ありがとうございます、地道に頑張ります。1日ほどお待ち下さい〜! (2020年5月12日 1時) (レス) id: e6fb1d1801 (このIDを非表示/違反報告)
FIX(プロフ) - springさん» 会社の同期で話進めてるので、幼なじみ設定である人を出そうと思います〜。リクエスト送って下さったのにすみません、幼なじみのお話はまた別の機会か、並行で書かせて頂こうと思います。次作も何卒よろしくお願いします〜! (2020年5月12日 1時) (レス) id: e6fb1d1801 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:FIX | 作成日時:2020年4月8日 11時