なんか、まふまふに懐かれてる。

みるくてぃ二十八本 ページ29

Aside

まふ「入浴剤、柚子でいーですか？」

貴「うん、ええよ」

ごそごそ棚をまさぐるまふ。

貴「後ろ向いててね、入ったら、言うから」

まふ「はい！」

まふには後ろを向いてもらい、服を脱ぐ。
かなりの羞恥心が私を襲う。

うう…

ガチャリ、と丸いドアノブを右へ。
透明な湯をたたえる湯船。

あ、入浴剤入ってない。


そこで私は、選択を間違った。


貴「ねぇ、まふーー、入浴剤入ってない」

まふ「あ、これで………あっ…」

貴「どしたん？」

まふ「上半身が、みえ、みえています…」

貴「え、あ、」

驚いた時って、本当に声が出ないのか。
一呼吸ついて、

貴「きゃあああああああああああ！！！！！」

ーーー

まふ「すみません…」

貴「本当に、ごめん。謝らなくていいよ…」

まふ「Aさん……」

柚子色の湯船に浸かったふたり。
あったかくて、ちょっと酸っぱい香り。

羞恥心は、湯船では洗い流されないけれど。

貴「いやなんかもう、なんでもできる気がしてきた」

まふ「変なことはやめてくださいね！？」

貴「体洗うわ」

まふ「後ろ向きます！」

柚子の香りに酔った気分になってしまって。

「とおせんぼう」を口遊ながらシャンプーをする。
まふは、こちらを向かない。
優しいなぁ。

そんなところに、惚れ直したりして。

体も洗って、泡をすっかり洗い流して。

貴「まふも、洗ったら？」

まふ「ああああ、あ、はい！」

貴「背中流してあげようか」

まふ「ぜ、ぜひ！」



自分で、デレ期というものを感じた。
まふは、どう思っているのだろうか。

でも、ちゃっかり頭まで洗ってもらってる彼だもの。

嬉しい、かな？

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