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ライキ side
ゆるい喋り方で話す、半分酔っ払いのAちゃんが危なっかしくて、ついつい手を繋いでしまった。
半分親心、もう半分は……。
俺の中で育ちに育った恋心は、まだ言えずにいる。
ずっと前にAちゃんからオーナーへの思いを聞いたあの日を境に、Aちゃんはもう二度とオーナーの名前を口にすることはなかった。
…でもそれが逆に、まだ忘れられずにいるんじゃないかって思えてしまってなんとなく俺からもオーナーの話をすることはなくなった、、、。
この手を、恋人として繋げられたらいいのにな…、、、、
ドキドキしてるのは俺だけみたいで、Aちゃんはきっと俺のこと、友達…ってか兄貴みたいな、そんなふうにしか思ってないんだなって少しヘコんだ。
少しぐらい、気にしてよ。
なんて、ハッキリと告白もできない自分が情けない。
今だって全然関係ない話で盛り上がっちゃってるし。
………振られるの分かりきってて言えないよ。言ったらきっと、、、この関係は、、、、。
そんなことを頭の隅で思いながら赤信号の横断歩道の前で止まったその時だった。
バッ、!
と、急に離れる手。
「…?Aちゃん?どうし、、、っ、」
驚いてAちゃんを見ると、一点を見つめて固まってる。
その視線の先をたどると、、、
っ、!、、、あれ、、、オーナーの車、だ、、、
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作者名:ふう | 作成日時:2022年11月30日 22時