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風呂から上がってリビングに戻ると、力尽きて眠っとるA。
そっと下敷きになっとる履歴書を取って見てみると、
お、、、ちゃんと間違えずに書いたやん。
志望動機やPRのところも、
‘自分が愛情を込めて作ったものでお客さまに笑顔になってもらいたいです’
‘以前働いていたカフェでスイーツメニューの開発をしました’
と書いてある。
……上出来やな。
「頑張ったな、」
とそっとAの頭に手を伸ばした。
一瞬触れるのに戸惑ったけど、寝とるしええかな、と思って優しく撫でた。
……愛おしい。
Aのことがこんなにも愛おしい。
触れてしまえば抑え込んどったAへの気持ちが溢れ出す。
なんでこんなに好きやねん。なんでやねん。俺じゃあかんのに、なんでこんなにそばに居りたいと思うてまうんや、、。
不意に撫でていた手を離して、肩をトントンと叩く。
「……A、ベッド行き、」
『……んー、、、んう、、、』
「ここ片しとくから。こんなとこで寝んなや、」
『ふぁい、、』
目を擦りながらのそのそと立ち上がるA。
フラフラして危ないなあ、と背中を支えようとすると、テーブルの脚に躓いてバランスを崩した。
『わ、』
「っおい、」
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作者名:ふう | 作成日時:2022年11月30日 22時