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｢キミ、喘息持ち？｣
人工呼吸器、吸引器、酸素吸入器用の穴のうち、酸素の所にこれを繋ぎ、俺にマスクの部分を差し出す。
それはまさに病室でよく見るやつで、ホントに病院だったんだなって実感する。
｢ぜんそく、、ってよりかは、、うーん、、｣
｢気管支拡張症？｣
｢いや、、｣
｢まぁ、言いたくないなら言わなくていいよ。
おーのさん、お茶持ってきて｣
彼女は俺から目を離さずに、ドアのそばに立っている大野さんと呼ばれる俺を中に入れてくれた人に、指示を出した。
｢おーのさんじゃなくてCEOだってばー。｣
そー言い、ぺたぺたと歩き、お茶を入れに行った大野さん。
｢吸入はしたの？｣
荷物を持ったまま酸素を吸ってる俺。
それをひとつひとつテーブルに置いてくれる彼女。
めちゃくちゃクールな姿に少しドキッとした。
｢あ、唐揚げ！！！これ貰っていい？｣
クールだった彼女が一変。唐揚げ棒を見た瞬間に目をがん開き、つぶらな瞳で見つめてくる。
咳き込んだあとは食べる気になれないし、酸素吸わせてくれてるし、あげるか。
｢ぇほっ、、いいですよ｣
｢やった！ありがと！｣
いいって言えば、もっと笑顔になって、がさつに俺の頭を撫でてそれを頂く彼女。
｢あー、それ、俺が狙ってたのにー｣
いつの間にかお茶を入れて戻ってきた大野さんは酷く肩を落としていた。
｢もー、しょーがないなー、1個だけだよ｣
俺の…唐揚げなのに…
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作者名：賞味期限 | 作成日時：2022年8月27日 3時
