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｢だいじょぶそー？｣
あの案件が1週間で片付いてしまったせいで、渋々この学校に来ることになる。
絶望的な表情で席に着けば、二宮がすかさず声をかけてくる。
顔を上げれば、1週間前と同じようにマスクを付けている彼が目に映って、、お前こそ大丈夫なのかよ。と突っ込みたくなった。
｢受験生なんだから風邪には気をつけないとだよ？｣
なんて言って飴を差し出してくる彼。
｢風邪なんか引いてないよ。｣
嫌味っぽくそう言って目をそらす俺。
｢二宮こそ、まだ風邪治ってないの？｣
さらに嫌な感じで皮肉を言うと、
｢風邪？？、、あぁ、引いてるように見えた？俺も風邪は引いてないよ、ただ予防のためにマスク付けてるだけで(笑)｣
彼はサッと受け流すように、嫌味を感じない優しい言い方で返しをしてくる。
悔しいと思いながらも、いつの間にか彼の優しさに甘え、うちの会社に必要な人材だと素直に認められるまでになった。
｢涼ちゃん、ちょっとおいで｣
部屋でニノさん(色々あってこれ呼ぶようになった)と、くだらないLINEをしてると、CEOが俺を呼出す。
隣には加藤の諒さんがパソコンを抱えて立っていて、。
社長室のソファに座るなり、お説教。
｢加藤が怪しいと思って涼ちゃんのこと監視してたんだって。そしたらまさか、依頼された訳でもないのに、、ニノのところに行ってるとはね。
俺らも、ニノを採用する前に監視して、入れても良い奴か調査してたの。こんなの二度手間だし時間を無駄にした事になるよね？
気になることがあるならちゃんと聞いてよね？時間は無駄にするな。それと、変な気遣いとかいらないから、もっと肩の力抜いて？分かった？｣
CEOからのお説教は決まって“時間”のこと。
端的に、時間を無駄にするな、と言い、最後には、肩の力を抜いて、なんて優しい言葉をかけてくれるCEO。
｢申し訳ありませんでした。ありがとうございます。｣
心からの謝罪と感謝をすれば、
｢はいよ。じゃーご飯にしよっか。準備終わったらニノの話聞かせてね〜｣
だってさ。ホント、彼の心の広さには脱帽だよ。
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作者名：賞味期限 | 作成日時：2022年8月27日 3時
