探偵事務所ｰHit the floorｰ (ページ1)

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“嚢胞性繊維症”

アジア人には珍しい病気。

黄色人種ではあるものの肌の色は絹豆腐のように白く美しい彼。

幼い頃から呼吸器が弱く、肺炎や気管支炎を繰り返してた。

そこで発症してしまったのが“嚢胞性線維症”という特定の分泌腺が異常な分泌物を産生し、それによって組織や器官、特に肺や消化管が損傷を受ける疾患だ。

警察官を両親に持つ彼は誕生後すぐに保育園に入れられ、生まれ持った可愛さで職員を癒す。

入園して暫くたった時に小児喘息を患い、早退・欠席が増える。

頻繁に入院するようになり、小児科では顔が知れた患者だ。

顔立ちも良く、人見知りではあるが懐くとずっとそばを離れない彼にスタッフはメロメロで、四六時中面倒を見てもらっていた彼。

そうしてもらっていたお陰か、あの病気が早期に発見された二宮。

アジアでは珍しすぎるこの病気は設備が日本一の大学病院で研究、治療することになり、二宮は転院をする。

根本治療が解明されておらず、容態が安定するまでは入院して様子を見ようということになった彼。

長い入院期間の中で、やっと退院の目処が立ったとき、両親を交通事故で亡くした。

当時、8歳であった彼は、もう物心がついている。

死とはどんなことなのかを理解出来る彼は、大きなショックを受けた。

と同時に、両親が交通事故ではなく他殺だったことを知った彼。

加えて、そのまま交通事故として処理されたことを知り、犯人へ罪を償わせようと、心に火がついた。

リハビリステーションでトレーニングをしたり、学校から送られてくる課題を一生懸命やってた彼。

見事、退院できる身体にはなったが、引き取り手がいなかった彼は、使われていない7F西病棟の奥の個室に住むことになった。