PARACAGE 3rd【ars】 (ページ11)

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81.リビング会合。ページ11

「相葉さんの写真集」
「写真集じゃないって！」

雅紀くんがケラケラ笑う。

「新しいお仕事のブックレットなの。昨日貰ったんだよね」

思わず、自分の鞄をギュッと胸の前に抱きしめてしまった。
同じ物がこの中に入ってるなんて、絶対にバレちゃ駄目なんだから。

「こっちおいでよ」

ニノくんが手招くから、断るのも変だし床に座ってる智くんの隣に座った。

そして、ニノくんから手渡されたブックレットを開く。

数時間前にも見た、モノクロの横顔。

「超詐欺ー！こんな顔、見たことねぇわ！」
「うるさいなぁ、お仕事の顔なの！」

雅紀くんとニノくんが言い合ってる横で、翔さんは「ホント、黙ってれば...」と呟いてる。

「ねぇ、相葉ちゃん。この顔してみてよ」
「えぇっ！？」

智くんの無茶ぶりに雅紀くんは頭をカシカシ掻いた。

「Aちゃんも見たいよねぇ？」
「え...あぁ...うん、見たい」

チラッと雅紀くんを見ると「マジかー」って、更に頭カシカシ。

「じゃあ、咲を召喚するからちょっと待ってよ？」

「やんのかよ」ってニノくんが笑う。
翔さんは興味深そうにちょっと身を乗り出した。

何がスイッチなのか分からない。
どこにスイッチがあるのか分からない。

でも、雅紀くんは一瞬で纏う空気を変えた。

次の瞬間にはもう、完全に『咲くん』で

半開きの唇も、そこに添えられた指も、前髪で隠れた目元も、どれも咲くんで

私、今すごい光景を見てるんじゃないの...？と緊張して来たら、ブハッ！っと雅紀くんが吹き出した。

「ダメだー！恥ずかしいっ！」

両手で顔を覆ってる。
何なの、それ。可愛い、嫌になる。

「エッロい顔したぞ、コイツ今」
「マックスセクシーだったね」
「雅紀、ちゃんと仕事してるんだなぁ…安心したよ、僕は」

翔さんだけ、何だかお母さんみたいになってる。

「ただいま。...何してんの、集合して」

帰宅した潤くんが、怪訝そうに眉を顰めた。

「相葉さんの詐欺写見てんの」
「だから詐欺じゃないってば！これも正真正銘、俺！修正無し！...多分」
「修正はされてんでしょー！肌の凹凸とか消しちゃってんでしょー！」

騒いでる雅紀くんとニノくんを気にもせず、「見せて」と潤くんは私が持ってたブックレットを手に取りパラパラ捲る。

「ふーん、良いじゃん。格好良いよ、雅紀」

潤くんの言葉に、雅紀くんはパッと目を開いて「ありがと！」って嬉しそうに笑った。