PARACAGE 2nd【ars】 (ページ31)

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66.武勇伝。ページ31

出来上がったハンバーグを潤くんとテーブルに並べてると、ニノくんがこっちに駆け寄って来た。

「ハンバーグ！潤くん、オレの為に？」
「別にカズの為じゃないけど」
「でもオレの大好物って知ってるよね？」

ね？ね？って潤くんの腕にまとわりついてる。

「はいはい、もう分かったから座れ」

満足したのか、ニノくんはストンと椅子に座った。

そんなニノくんを見て「子供」「子犬」って言いながら智くんと翔さんも席についた。

美味しいハンバーグとポテトサラダを食べながら、私は今日の翔さんが迷子を助けた武勇伝を話す。
まるで自分の手柄のように話す私にニノくんが「お前関係無いでしょ」って笑った。

「しかもね！それだけじゃないんですよ？」

まだ話そうとすると、隣に座る翔さんが「もう良いですよー」って私の肩をポンポンポンと小刻みに叩いた。
小動物みたい。

「お母様を待ってる時、男の子に『お母さんにちゃんと謝らなきゃいけないよ』って翔さん言って」

翔さん以外が頷く。

「でも男の子は、お母さんが迷子になったのにどうして自分が謝らなきゃいけないの？って」
「あー、なるほどね。確かにそーなるかもなぁ」

ハンバーグを頬張りながら、ニノくんが呟いた。

「でもね、『君がお母さんの手を離してしまったから、会えなくなっちゃったんでしょ？』って優しく教えてあげてたんです」
「カッコイイ、翔くん」

智くんに褒められて「やめてよー」って照れ臭そうな翔さん。

「『君は男なんだからお母さんを守らなきゃいけないんだ。でも守れなかったよね？』って。そしたら男の子も、納得したみたいで」
「彼のプライドも傷付けないよーにした訳ね」
「そうなんです！潤くん！」

「だからお前の手柄じゃ無いでしょ」ってニノくんにまた笑われる。

「お母様が迎えに来た時も『大切な人の手は、絶対に離しちゃいけないからね』って。もう、王子様みたいでした！」

キャー！って智くんとニノくんが騒いで、潤くんがそんな2人を指差しで「バカだ」ってゲラゲラ笑った。

食事を終えて、みんなで片付け。
潤くんだけは片付け免除で、テレビを観てる。

「雅紀、今日帰って来るの？」

洗い物をしてる翔さんの言葉に、お皿を拭く手が止まってしまった。

「さぁ。どーなんだろね」
「相葉ちゃん、外泊珍しくないもんね」

ニノくんと智くんの会話に、ちょっとだけ胸がギシッと鳴った。