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35.天然系。 ページ35

雅紀くんが洗い物中に自分の鼻を掻いて、彼の鼻のテッペンに泡が付いた。


何それ...っ!
何そのキュートな状態!!
しかも天然だよね、本人全然気付いてない!!!

「...雅紀くん、鼻に泡が...」
「え?」

自分で鼻を見ようとして、雅紀くんが寄り目になる。

「あ!ホントだ!泡見えた!」

彼はケラっと笑って


チョン、と私の鼻の頭に人差し指を当てた。


「お揃い」

フフっと笑って、マグの泡を流してる。

私の鼻に泡がついてるのは感覚で分かるんだけど、そんな事どうでも良い。
心臓...いったー...激痛。


手も洗った雅紀くんは、自分の泡を拭き取って

私の鼻の泡も、スルンと指先で取ってくれる。


一体どんな顔してるのが正解か分かんなくて、慌てて私もマグの泡を流し落とす。

「じゃあ、明日からこれはAちゃんのね」

そう言いながら、彼がこれまで使ってたマグを水切りに置く。
私も、新作のマグを水切りに置いた。


そこに潤くんが入って来て、冷蔵庫を開け中から牛乳パックを取り出してる。

「あ、潤ちゃん。俺のマグとAちゃんのマグ交換したから!」
「強奪したの?」
「ちっがう!Aちゃんが俺にくれるって言うから、それは悪いし交換しよーって」
「交換って...お前それ何年使ってた?全然、等価交換になってないじゃん」

戸棚からコップを出してコポコポと牛乳を注ぐ潤くんが、呆れたように笑った。


「あ、A」


え?

潤くんを見たら、「カズさっき風呂出て来たから、A次入っちゃって」って言って立ったまま牛乳を飲んでる。

「あ...はい...」

超ナチュラルじゃなかった...?呼び捨て。
私、これまで潤くんに何て呼ばれてたっけ?『あんた』じゃなかった?
すっごい出世した気分。


「Aちゃん、一緒に入る?」
「えぇっ!?」

雅紀くんが昨日と同じ事を言って笑ってる。

「二人で入れる程、広くないだろ」

いやいや、潤くん。
気になるの、そこじゃないよ。


「狭い方が良いじゃん。お風呂なんて密着してナンボでしょ?」
「はいはい、お盛んですね」
「だから、別に盛ってないってば!」

二人の会話を聞きながら「お風呂行って来まーす...」とキッチンを出ると、リビングで智くんが両手を挙げて伸びしながら大きな口を開けてアクビ。


「Aちゃーん、お風呂行く?」

智くんに声を掛けられて立ち止まり「はい」と応えると、彼が「ちょっとだけ待ってて」って部屋を出て行った。

■作者より・移行のお知らせ■→←34.マグ。



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作者名:rei | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=reika72  
作成日時:2017年3月22日 18時

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