君のせいです！

14話目 ページ14

そのあとも挙動不審になりながらかき氷を食べたり、りんご飴とかたこ焼きとかいろんなものを食べたりした。

しかしその間も手は繋がれたままで、ずっとドキドキしっぱなしだった。



shp「もうすぐ祭り終わりそうっすね…」


気づけば時間は9時前だった。もうそんな時間なのか、やはり時間がなくてあまりまわることができなかったのでなんだか少し物足りない。

そのとき、少し先にある金魚すくいの屋台が目に入った｡


『ねえショッピくん、あれやってから帰ろ！』

shp「金魚すくいっすか。いいですよ」


金魚すくいなんて久しぶりだ。小さい頃はまったく取ることができなかったが、今ならさすがに1匹くらい取れるだろう。

…と、思ってたのに。


『う…どんどん破れてくる…』

shp「先輩それもう無理でしょ」

『いやまだ端っこを使えば…！あー！破れた…』


結局1匹も取れなかった。私こんなに下手くそだったっけ…なんてもやもやしながら隣を見ると、ちょうどショッピくんがおわんの中に金魚を1匹入れていた。入れる前に金魚が暴れたのでショッピくんのポイももう破れてしまった。

おわんの中には既に1匹入っていたらしく、計2匹取れたようだ。うらやましい…



shp「うわ、今ので終わりか…」

『2匹か…ショッピくんもそんな上手くないね！』

shp「は？1匹も取れなかった人に言われたくないですけど。」

『う、うるさいなぁ…運が悪かっただけだし！』

shp「はいはいそうですね。んじゃそろそろ帰りますか」

『ちょっと…先輩の扱い雑すぎでしょ』



人も減り、ショッピくんの手には金魚が2匹入った袋が握られていたのでもう手を繋ぐことはなかった。
少し残念なような、でももうドキドキしなくていいからほっとしたような変な気持ちになった。


どうせまた家まで送られるんだろうな、と思ったらやはりその通りだった。
運転がしにくいとのことで、ショッピくんの取った金魚達は私が一旦預かることになった。


これでショッピくんのバイクに乗るのは2回目…いや、酔った時のも入れて3回目か。
バイクに乗りなれていないことや、ショッピくんにくっつかなければいけないせいであんまり乗るのには慣れない。

でもバイクってやっぱかっこいいし通勤楽だよなぁ…私も免許取ろうかな。
ショッピくんとの距離が近いことは考えないように、違うことを無理やり考え続けているうちに私の家に着いた。

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