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「そういえばA先輩最近ちゃんと寝れてないでしょ、顔色悪すぎなんですけど」
「今修羅場だから」
「あぁ……」
何かを察したように哀れみの顔になるショッピくん。
私は冬コミの締め切りが五日後に迫っているのにも関わらず、原稿が2枚しか終わってないクソ雑魚になってるのだ。てかなんで締め切りそんなに早いの？さっきまで夏コミだったじゃん〇迅社。私泣いてる。
「私にはドスケベシーンなんか描けないんだ…………」
「たこさんウィンナーなんて可愛いもの入れてきますね」
無視かよ。
小学生が好きなおかずをとるように、黒い箸がにゅっと伸びてきて胡麻で目を作ったたこさんウィンナーを誘拐する。可愛いかもしれないけど、それどぎついシーン描いた手で切ったウインナーだよ、て。ちょうどち○んこ描いたからウインナーだよ、て(乾いた笑い)。
なんか後輩に弁当の中身を取られるなんて癪に障るが反応する気力もない。お互い様なのだ。
「……なんも言わないんすか、ウィンナー」
「今、月一の病み期だから」
「生理やん」
「成人女性に対してその単語は完全にセクシャルから始まるハラスメントなんだが」
やだなー先輩にシャルハラする後輩なんておりゅ？と楽しそうに笑ってる後輩。お前は今度ベッダーに上げるネタにするよ、震えて眠れ。
それからはなにも言葉を発さずに黙々と2人で昼食をとる。私は次のコマをどうするか考えているだけだが。
まじでえちえちシーン描けない。実はピュアな物語ばかり書いてた私故に、そのようなえちえちシーンを描写するのは今回が初めて。リアルに足ってどこまで開くのか、仰け反る時の表情や筋肉はどう収縮するのか。知らない事ばかり。
「はあ……」
「お色気シーンが」
「描けない…………」
もう一度溜息を吐けば、目の前のショッピくんも同じように溜息を吐き足を伸ばしたのだろう、ヒール越しにコツンと何か当たった。長い足だ。肘を着き眠たそうな目が確実に私を捕らえた。
「何か言うことないんすか」
「………………ショッピくんっ」
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