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それからと言うものの、後輩という立場を利用してアタックを仕掛けてきた。
何をされたか？王道な事は全部。
他にも数え切れないほどだから割愛しよう。
それから2年くらい、彼が会社での地位をそこそこ築いた頃改めて告白をされた。
「……改めて言うの緊張するわ、死にそう。」
『…早くしてよ。』
「うるさい。」
大きな深呼吸を1度彼がすれば手を取られる。
彼の手が震えているのがわかって、私まで緊張してきてしまった。
「Aさん。俺と、お付き合いしてください。」
『…………よろしくお願いします。』
「…ついでに、ここも予約していいっすか。」
きゅ、と左手の薬指を握られる。
『とっくに、予約してるじゃん。』
そうっすね、と目尻を下げて笑った彼の顔を良く覚えている。
きらきら水面が反射する水族館でのこと、忘れるわけがない。
そこから更に1年程経った時、猫のキーホルダーのついた鍵を渡された。
「それ、Aのやから。」
『……え？もう持ってるよ？』
「ちゃう、新しいとこ。」
『引っ越すの？』
「そう、探してる時にAと住めたらええなあって思って、おおきいとこにしてん。やからな、同棲、しぃひん？」
そんなの、断るわけがない、朝から晩まで彼と一緒だなんて！
その1ヶ月後くらいには同棲を始めて、更に5ヶ月後くらいに彼が趣味を増やしたい、私との生活に支障が出るかもしれない、と相談をしてくれた。
別に構わないよ、そう返せばなぜか彼が心配そうな顔。
「……アンタほんまに人が良すぎるわ。」
普通もっとわがまま言わへん？って言われてもなあ。
そうして彼は、インターネットでの有名人になった。
毎日楽しそうにしているし、良いかなって。
私の相手もしっかりしてくれるし、寂しいなんてことは無い。
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