124．ババァかよ ページ24
「階段きついね、京子」
「ババァかよ」
「……隼人に言ってない」
『今日のお昼12時に並盛神社』というのが白蘭に指定された場所らしい。並盛神社は町全体が見渡せるくらいの丘の上にあるため、長い階段を昇る必要がある。
軽く息切れをしながらもたどり着いた頂上で本音を呟くと近くにいた隼人に呆れた顔を向けられた。
「ヒバリさーん！山本ー！」
綱吉の彼らを探す言葉聞いて、周りもキョロキョロと辺りを見渡す。どうやら全員集合しなければならないのにもかかわらず、武と雲雀さんがこの場にいないらしい。
やけに静かな境内は何か嫌な予感を感じさせるもので、心臓のあたりがモヤモヤと霧が晴れない感覚に陥った。
「バカでかい死ぬ気の炎が異様なスピードで接近している……」
「何だって？」
スパナさんと入江さんの発言と同時に辺りが暗くなる。足元に広がる影を見てまるで大きな何かが空にあるのかもしれない、と疑問に思い空を見上げて思わず目を見開いた。
「なに、あれ……」
「何だぁ？」
「カミナリ雲！？」
先程まで晴れていたというのにドス黒い雲が並盛神社を覆うように広がっていた。すると突然、雲の中から人の顔のようなものが現れ「やあ、諸君」と声を出す。
「ひいぃっ何アレ──！？」
「元気そうじゃん綱吉クン」
「びゃ、白蘭！？」
綱吉の口からでた言葉に動揺が隠せなくなる。あれが、今から倒そうとしている白蘭なのか。想像以上に巨人だったと恐怖を感じていると「綿菓子みたい」と京子が隣で呟き、彼女のあまりの能天気さに軽く平常心を取り戻した。
「幻覚か？」「違うと思う……」そんな隼人とクロームちゃんの会話に「どういうことなの？」と口を挟むと、スパナさんが巨大な装置だと教えてくれる。
「落ち着くんだみんな！あれは顔の形をしたアドバルーンのようなものだ。ミルフィオーレの科学力なら不可能じゃない！」
「なんだかもう……マフィア超えてる！」
頭を抱える綱吉の様子をじっと見ていると、人数が揃っていないことに気付いた白蘭が「本番で困るのは君達自身だよ」と告げる。
すると、入江さんは「チョイスに使う基地ユニットとしてはその装置は大きすぎる！」と顔の形をした装置に向かってルール違反だと叫んだ。
「このメカは、君達をチョイスの舞台へ連れていく超炎リング転送システムだよ」
「つまり戦場はここじゃねーんだな」
リボーン君のその台詞に驚きつつも、不安で震える両手を重ねあわせた。
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作者名：√A | 作成日時：2022年8月22日 13時
