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Murder on D Street…其ノ参 ページ4

「やあ、敦くん。これは奇遇だねえ……あ!斎、目が覚めたんだね!調子はどう?」

『……別に、普通』

「そうかい、それは良かった」

上条の推測通り、逆さまの太宰治の姿が其処にあった。

敦がまた入水かと言及すれば、それは古い、やるなら美女と上条に限る、…など意味の分からない言葉を返す。
因みに本日は、ただ川を流れていただけのようだった。

そして彼が、何故敦達がこんな所にいるのかと尋ねれば、

「な、なんてことだ…斯くの如き華麗なるご婦人が若き命を散らすとは…!何という悲劇!悲嘆で心臓が破れそうだよ……どうせなら私と心中してくれれば良かったのに!」

事件の概要を伝えれば、まあ、当然このようになる訳で。
泣き崩れる太宰を、皆は冷めた目で見ていた。

「しかし安心したまえ、ご麗人。稀代の名探偵が必ずや君の無念を晴らすことだろう!ね、乱歩さん!」

乱歩の方を振り返り丸投げするが、依頼を受けていないので、勝手に解決は出来ない。

「探偵などに用は無い。実際、俺の部下は私立探偵より優秀だ」

「ふーん……よっし、じゃあ杉本くん!六十秒でこの事件を解決しなさい!」

「えぇっ!?」

「僕なら一分以内で解決出来る」

殺された山際女史の後輩、まだ若き警官の杉本巡査部長に事件を解決させることだった。部下が私立探偵より優秀ならば、更に短時間で解決出来る、という証明をさせようという魂胆だ。
不運な杉元に、敦は思わず同情の視線を送った。


「えっと…、あ!そうだ、最近山際先輩は、政治家の汚職疑惑とマフィアの活動を追っていました」

報復の手口に殺され方が似ている事から、捜査していたマフィアに殺されたのでは、と推理するが、

「違うよ」

太宰がその説をすぐに否定する。
曰く、マフィアの報復は謂わば“身分証明”。敷居を噛ませて顎を壊し、裏切り者を引っくり返して胸に三発。
この方法は厳密に決められているため、今回の事件は犯人の偽装工作だと判断出来るのだ。

「そんな…偽装のためだけに遺骸に二発も撃つなんて……非道い」

杉本が悲しみに満ちた表情で、小さく言葉を零す。
そんな彼を、上条はジッと見つめていた。

「ぶーっ!!!」

乱歩が唐突に、不正解音を出した。どうやら時間切れ。このやり取りの間も、ちゃんと時間を計っていたらしい。

無茶振りであることは兎も角、これで部下よりも自分の方が優秀。つまり、箕浦の言い分は間違っていると乱歩は主張するが――、

「いい加減にしろ!」

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 男主 , 太宰治   
作品ジャンル:アニメ
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ロット - 更新楽しみにしています。また楽しい展開を待ってます! (2018年3月21日 20時) (レス) id: d561f39b52 (このIDを非表示/違反報告)
ファニー - 更新頑張って下さい!応援しています! (2017年5月5日 23時) (レス) id: ccbe8ec79d (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - 匿名さん» このお話にBL表現は出さないつもりです。ただ、念のためということで最初に書いただけですし、前編でも対象にはならなかったのでこのままでいきます。…長々と失礼しました<(_ _)> (2017年3月21日 9時) (レス) id: 4c92540543 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - BL表現が少しでもあるのなら、フラグを立てましょう。違反の対象となります。 (2017年3月20日 22時) (レス) id: 53d4575912 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朔夜 | 作成日時:2017年3月20日 20時

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