あなたの声に溺れて 3

番外編-3 ページ33

葛「あー…」


椎「女子としては一緒に過ごしたいのはなんとなくわかるけどなぁ」


『でもさすがに…一応2週間ほど前にも会ってますし無理を言うべきではないのかと…』


葛「俺わりと記念日とかあんま気にしねぇから
わっかんねーな…」


椎「だろうね」


葛「おいなんだその反応は」


椎「女心がわかんないとあの子に嫌われるんだぁ？」


葛「ばっ！？！？うっせーよ！！！！！」


『あの子…？』


葛「聞くんじゃねぇ！！！！！！」


椎「葛葉なぁ、最近気になっとる子が…」


葛「てめぇ……！」

















そっか


葛葉さんは気になる子ができたんだ


きっと優しくて可愛い子なんだろうなぁ











ヘッドフォン越しにしいちゃん先輩と葛葉さんの


言い合いを聞きながらそう思った















『どんな子なんですか？(笑)』


葛「……」


椎「あてぃしが言おうか？」


葛「…ぃ」


『え？』















葛「危なっかしくて、ほっとけない奴…」
















そうぶっきらぼうに言うと余程恥ずかしかったのか


解散！！！！！と大声で叫んで通話を切ってしまった











葛葉さんは


私と叶さんが付き合ってから


ちゃんと自分の気持ちに整理をつけて


しっかりと前に進んでいる


もう半年も経とうとしているんだから


気になる子ができてもおかしくはない
















私は、いつまで止まっているんだろう


自分で叶さんになにかできないかと考えてはみるけど


結局叶さんに貰ってばかりだ














今も


もっとこうしてくれたらって思ってしまっている













だめだってわかっている











でも心のモヤモヤは晴れないままだった
















椎「ちょっとくらいわがまま言ってもいいんじゃないの？」


『そんな、私いつもわがままばっかり』


椎「そうかなぁ…そんな話かなかなから聞いた事ないけどな。わがままだなんて」


『叶さんは…優しいから』


椎「ふーん？」















喧嘩だってしたことがない


それが良いのか悪いのかは別として

















椎「(…かなかなは優しいふりして実は、みたいなタイプだと思うけどなぁ)」

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