思わず告白 ページ31
とある屋敷の戸を叩く。
トントン
ギィ…
不死川「……近いうちに来ると思ったが当たってたようだなァ。」
そう、出向いた先は風柱邸である。
「お邪魔します!」
不死川「文もよこさねぇで来やがって
留守だったらどうしてたんだァ。」
「私の勘は鋭いから余裕よ!
それよりも、はい。
おはぎを差し入れに来たの。」
不死川「テメェ、変な気回すんじゃねぇよ。
……まぁこのおはぎは食うけどなァ。」
「食べるのね!あはは!」
不死川「………カラ元気で気持ち悪ィ。」
「はは………。
さすが不死川君、相変わらず鋭いわね。
……不死川君はどう?ちゃんとご飯食べてる?」
不死川君の観察力が今は痛いな。
不死川「人の心配よりテメェの心配してろォ。
飯が食えねぇのはAだろ?
前より痩せてやがる。」
「私のことは良いの!
こういう時は……」
不死川「はいはい、帰った帰った。」
追い払う不死川君。
全然心配させてくれない。
なにも頼ってくれない。
ムカッ
「あのねぇ…!!
好きな人の心配くらいさせてよ!!
……あっ…!」
不死川「は………?」
バッ
思わず口を手で隠す。
しまった……!
口が滑ってしまった。
もう、取り返しがつかない。
ごめん、不死川君。ごめんなさい。
想い人を亡くした不死川君に
自分の想いを伝えることはやめようと思っていた。
この気持ちは墓場まで持っていこうと思っていた。
なのに、何やってるの私…。
「……言うつもりじゃなかったの。
しかもこんなタイミングで。
言っておいてなんだけど、
不死川君に振り向いてほしいとかではないわ。
でも、好きな気持ちを否定はしたくないから誤魔化せない。
ごめんね。私、不死川君がずっと好きだった。」
言ってしまったからにはきちんと伝えたいんだ。
不死川「………悪い。
俺はAの気持ちには応えられない。
胡蝶を想っている。」
こんな時でさえ真っ直ぐ私の目を見て伝えてくれる不死川君がやっぱり好きなの。
誠実で底なしに優しい君が好き。
「……変に気を遣いだしたらぶっ飛ばすわよ。」
不死川「……物騒なやつ。」
くすくす二人で笑い合う。
気持ちに整理がつくまでは少しの間
勝手に好きなままでいさせてね。
不死川「…A。必ず俺たちで鬼を滅殺するぞ。」
「えぇ。必ず。」

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パジャマパーティー(プロフ) - 月夜野タヌさん» あけましておめでとうございます!新作もご覧いただきありがとうございます😍またタヌさんに見ていただけるとなるとやる気倍増です💪 (1月3日 14時) (レス) id: df553392eb (このIDを非表示/違反報告)
月夜野タヌ(プロフ) - 明けましておめでとう御座います✨新シリーズも期待しています、楽しみに読ませて頂いてます🤗 (1月3日 8時) (レス) id: c441b936c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:パジャマパーティー | 作成日時:2024年12月26日 0時