彼女はもともとⅢ (ページ6)

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社交恐怖症が生み出したもの。ページ6

「ありがとうございます」

『ほんとに…死ぬかと思った…』

カミラがナイ姉様に目をつけられた。
でも私が彼女を気に入ったという事実が、彼女を助けた。

何が目の前であったのかわからない。

食事は部屋で取ることになって、冥土さんが、取りに向かった。

今、彼女の膝の上で座ってオルゴールで遊んでいた。

『あなたにも家族はいるでしょう。
いつか逃がしてあげるから、だから、体は大切にしないとだめよ。』

そう言って、あぁ。ごめんなさい。と謝る

「？？」

『ここに来るのは孤児しかいないのに…ごめんなさい』

あぁ。と彼女は言った

スラッと長い足がスカートから見えている。
銀髪の髪はハーフアップになっていて、赤いリボンがついている。

「大丈夫ですよ。」

心なしか、誰かに似ているような気がするが、顔が似た人というのは世界で3人いると言う話を聞いたことがあるので、その類だろう。

「いいんですよ。顔色伺うのは慣れてますし。」

一度、似ている人に重ねると、全てがそれらしく感じる。

彼は元気だろうか。
私がいないの、きっと彼が一番に気がつくのだろう。
だって隣だもん。部屋。

気づいてほしいな。

「顔色見るのは、人が怖いから、危害を加えられないように顔色見てたら、こんなの慣れてしまいました。」

笑った顔がとてもきれいな彼女はそう、自虐的に笑った。

『羨ましい。』

顔色見てたら、巻き込まれないようにすることだってできるのに。

『私は人と目を見て話すことを禁じられてるの。』

この家から出ていったときに破ったのだが、人の目はこうもきれいだったのか。と私は感じた

『だから、目が何かを訴えてても見ることはできない。』

「はぁ。」

わしゃわしゃと、優しく撫でられた。
涙が出てきそうだった。
優しくされたのはとても嬉しかった。
ままに初めて撫でられたあの感覚。

ポロッと涙がこぼれた。
ゴシゴシと乱暴に拭くと目が痛くなったけど

彼女に向き合った。

あー。本当に羨ましい。
私の持ってないものを持ってる彼女が

『きて、ママの部屋に案内してあげる。』

膝から降りて、ゲージへと向かう。
自分の部屋だけが自身の歩けるスペース。
運動不足解消のために
どこそこ動き回ったりしたこともある。

ナイチンゲールの扉を開くと、勢い良く飛び出て、私の肩に止まった。

『…
お話を、聞いて。』

私の事を聞いて。私の話を聞いて。

そして許して

私を赦して。