彼女はもともとⅢ (ページ24)

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Eye ページ24

「おはようキティ」

『お、おはようございます』

エマさんに抱っこされて食堂についた私は、知らない男性集団に囲まれて身を縮こませていた

このまま自分も消えてしまいたい。と思いながら硬く身を小さくしていた

朝食を持ってきただろうその男性は私の前にストンと座り、目線を合わせるとにっこり笑った

「調子はどうだい？」
『あ、ええと…』

硬く握られた手をブンブンと振っても取れないところ見ると、とても焦ってしまう。
どうしよう、どうしようと冷や汗をかき始めたところで

「あんたねー！！！」
と女性の怒涛とドーンと花火の打ち上がる音が聞こえた

『ひっ…！』

「ごめんなさいねA。驚かしちゃって…
こいつ連れて行くわ。」

空軍服を着た彼女は伸びた男性を説教しながら連れて去っていった

『な…名前…！』

そう声を出したときには二人はもういなくなっていて、私は目の前の灰色の髪をした男性に見つめられていた

気まずくなって、ふいと顔をそらすと「あ…」と彼は悲しそうに笑う

『あ…えと…』
「ええと…」

………

沈黙が痛い

「何してるのさ。」と頭上から声をかけられ、そちらを見る。

何も付けていない、蒼いきれいな目が私を見ていた

ピンとその目に見覚えがあり、『あ…協会の……』というと、彼は大袈裟に肩を揺らして

「え、あ…私のこと覚えててくれたのかい？」

と嬉しそうに笑った

「あはは…なんか照れくさいな」

母の毒の入った瓶とあなたの目がとてもきれいで、忘れられなかったの。

と私は彼に顔をぐっと近づけて瞳を見た。
慌てたように肩をぐっと押して座らせると食事を取ろう！と慌てたように座った

『いただきます』
と手を合わせるとその後に困った
フォークを掴んで食べようとするも、周りの目が気になって食べれない。

そもそも、ちゃんとしたフォークの使い方すらもわからない。

使ったら怒られるかもしれない
そう思うと食器に手を出しづらく、下を向いたままそっと、手を下ろす。

「食べないの…？」

『あ、いや…その…』

なんて答えればいいのだろう。

フォークを持ったことがないの。とでも言えばいいのだろうか

なんていえばいいのか…

『あ…えと…その…』

兄弟が集まらないと…
私フォーク使っちゃいけないから…
私何もできないから…

わたし…

「Aさん」

くっくっと袖を引き、自身の口をさした。
口を見ると、おもむろに口を大きく開けた

「あー…」

『あ…』

真似して小さく開くとスプーンが入れられ、丁度いい温度のスープが口に入った。