笑った君と手を繋いで【sgi】 (ページ6)

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「きつ・・・悪いことしてないのに6時はもう拷問ですね。」

sgi「でしょ？ほんと倉科ちゃんも忘れ物とか気を付けた方がいいよ。というかこれで分かった。倉科ちゃんYouTubeとか見ないな？」

「ああ、格安スマホでパケットも最小限なので動画など見る余裕はないですね。」

sgi「え、家にネット回線は？」

「ないです。」

sgi「リモートの時どうしてたの」

「学生課に頼んでなんとか。教授との研究の相談は電話で、あとはもう研究室の出入りを許してもらって・・・」

sgi「うわー・・・大変だな・・・あ、俺ももう結果出るわ。良い気分転換になった、ありがと。」

「こちらこそ眠気覚ましになりました。ありがとうございました。」

須貝さんはさっと荷物をまとめると研究室を出て行った。
台風みたいな人だな。あ、別に荒らしたとかそういうのではない。

「さ、残りやろ。」

待ってろおもち！
始発も始まって3時間が経ったころ。
ようやくレポートにできるまで結果が得られ研究棟から出て最寄駅まで進む。

最寄駅のベンチでぼーっと電車をまっていると

sgi「お？おつかれー」

「・・・お疲れ様です。」

この人本当に夜通しだったのだろうか。ケロっとしすぎている。
バラバラになるのも避けているようで変な感じがするので一緒に電車に乗る。
私がぐったりしているのを見たのか車内では声はかけられず電車に揺られて家の最寄駅に着く。
うん、やっぱり降りる駅同じだよね、コンビニでも牛丼屋でも会ってるんだし

sgi「・・・だよな。」

「ですよね」

須貝さんも同じことを思っていたようで。
一緒に改札を出て歩き出す。

sgi「倉科ちゃんのそんな姿初めてだわ。」

「え？」

sgi「いつも淡々と仕事してるから。朝も夜も仕事してる姿見てるけど疲れた感じ出してないし。」

「仕事よりも論文読み込む方が脳使うからですかね？発声方法みたいな感じです。喉から出すかお腹から出すか。」

sgi「あー・・・なんとなくうっすらレベルだけど分かる。」

アパートに着いたので須貝さんに声をかける。

「ここなので失礼します。」

sgi「俺ここのマンションなんだけど・・・このアパートなの？」

「はい」

sgi「オートロックとかないけど」

「安いので」

なんてったってペット可だ。そこ重要ポイントです。
なぜか複雑そうな顔で須貝さんは高そうなマンションへ帰って行った。