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Aside
sgi「Aちゃん。」
「・・・はい。」
須貝さ、んん、駿貴くんとお付き合いして数か月経ったその日。
いつになく真剣な顔をした駿貴くんが話しかけてきた。
なんだろう。別れ話?
sgi「あのね、俺博士課程修了すんだわ。」
「え、おめでとうございます。」
sgi「ありがと。それで・・・」
珍しく言葉に詰まってる。
これは、私から言ってあげるべき、なのかな。
「・・・分かりました。」
sgi「うん?」
「出て、行きます。須貝さんのことも、忘れます。」
sgi「は?待て待て、なんでそうなる。」
「・・・別れ話、じゃ」
sgi「違います!怒るよ?」
「すみ、ません」
sgi「ハア、逆に気、抜けた。俺、4月からQuizKnockに就職します。」
「・・・え、それだけ、ですか?」
sgi「それだけって・・・就職ってのはな、2人の将来が関わってくんだからな?」
「将来って・・・」
sgi「そりゃすぐにとは言わんけど。俺、Aちゃんとの将来、考えてるから。」
絶句。
なんて言えばいいか。
返答の選択肢が0である。
sgi「ま、とにかく。QuizKnockに入社してYouTuberとしてもそのまま活動し続けます。もし視聴者さんとかにバレても俺はAちゃんと別れる気はないし堂々とするつもりだから。じゃあこの話終わりで。おもちの散歩、行こ。」
「あ、あの!」
sgi「おう、どした?」
「おもちのことも、一緒に引き受けてくれますか。」
sgi「当たり前。てかもう俺のおもちだからな?」
「ちょっと!それは聞き捨てなりません。おもちは私の!」
sgi「Aちゃんは俺のものだからおもちも俺のもの。」
「所有権は包含されません!」
駿貴くんは、数週間後10年間通った東京大学を卒業した。
もう隣の研究室に駿貴くんはいないけど、すぐ側にいる。
「卒業おめでとうございます。」
sgi「大学来るかと思ったのに。」
「もうなかなか会えない方たちと過ごすべきかと思いまして。」
sgi「Aちゃんらしいわ。で、この料理はお祝い?」
「まさしく。あとこれはお祝いの品です。」
sgi「ヘッドフォン!めちゃ性能良いやつ!高かったでしょ。」
「お金とはこういうものに使うべきかと思います。」
ギュッ
sgi「ありがと。」
その日は目いっぱい作ったご飯を2人でむしゃむしゃという効果音が付くくらい食べて。
初めて、駿貴くんの布団で一夜を過ごした。
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作者名:たらこ | 作成日時:2021年4月15日 20時