帯に短し襷に長し

告白は計画的に ページ44

fkr「Aさんの結婚相手の選択肢に、僕を入れてくれませんか」


「・・・え？」


待って。待って待ってちょっと待った！
落ち着け、落ち着こう私。まず今の状況を整理したい。どうしてこうなったか、ちょっと前に戻って考えることにしよう。





「・・・やっぱ辞めよう。」


QuizKnockで働いて3年、やっぱり私には向いてないと仕事だと思う。仕事内容自体は楽しいし嫌いじゃないけど、クリエイティブなこととか、私には無理だ。
元からコツコツ型、努力で乗り越えるタイプなので奇抜な発想とかは全くもって出来ないし臨機応変な対応はすこぶる苦手。そんな私がここで採用されて働けたってことだけでも今後のアドバンテージになると思う。

そんな風に家で決断した矢先。


「・・・ん？」


ふくらAさんお疲れ様。福良です。突然連絡ごめんね。グループLINEから見つけて連絡しました。

ふくら突然なんだけど来週の日曜日時間ありませんか?もし都合悪ければ別の機会でもいいんだけどどうでしょう?


福良さんが私に用事・・・？？
なんだろう、校閲班の私と関わるなんて本当に問題の精査くらいでしかないのに。


繭「告白じゃないの？」


「絶対違う。だって福良さん彼女いるもん。結婚近いってみんなが言うくらいには。」


びっくりしすぎていただいたLINEを急いでスクショし、友達の繭ちゃんに送ってただいま電話中。
告白、ってそりゃ普通は考えるんだけどそれは本当に考えられないんだよなあ。

福良さんは付き合って5年になる彼女さんがいて、撮影の時以外は右手にペアリングをするくらいにはラブラブ。


繭「じゃあ単純に辞めそうってバレて止められるやつだね。」


「・・・やっぱりそう思う？」


繭「ちゃんと意思強く持って辞めるんだって気持ちで挑まないと負けるんじゃない？動画見てる限り相手は手強そうだし。」


「そう、だねえ。」


相手はあの福良さん。策士Pだなんて呼ばれてるくらい賢いし裏をかいてくる人だ。


「先手、取るしかない。」


こうなったらもう決断しちゃってて何言っても無理だなって思われるくらいに先に辞めたい理由とかをばーーーっと言うしかない。


繭「というかそれなら断れば良かったのでは。」


「私が断れると思う？」


繭「ま、典型的なNOと言えない日本人のAちゃんには無理だね。」


そう。だからこそ当日頑張って切り抜けるしか道はない。頑張れ私！！

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