帯に短し襷に長し

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彼氏「・・・分かったよ。ごめん、携帯とか、家追い出したのとか。家事も全部させて。謝りたかった。でももう無理なんだ、よな？」


「・・・うん。」


彼氏「ん。お幸せに。」


最後は完全に諦めたみたいに、肩を落として帰ってった。


wtnb「A、「航平」な、なに？」


「スマホ、見て。」


wtnb「え？」


「早く。」


そう言われてパンツのポケットからスマホを取り出した。


wtnb「・・・？？」


「もう(苦笑)鈍いなあ・・・航平、誕生日、おめでとう。」


wtnb「！！ありがと。」


そうだ、もう12時を回って日付は28日、俺の誕生日になってる。


「航平、色々ありがと。」


wtnb「え、」


「さっきも言ったけど、元カレとのこと、気付かせてくれて。ほんとは恋愛感情なんてとっくになくなってたのに、だらだら付き合ってて。何も言われなかったら今でも言えずに家政婦みたいに過ごしてた。」


嬉しい。さっきAが俺の腕を引っ張った手が、気付けば俺の手を握ってて暖かい。
これは。須貝さん、言う時だよね？


wtnb「A！」


「え、あ、はい。」


wtnb「もう伝えてるけど、もっかいちゃんと言わせて。俺Aのこと、もうどんだけ前だってくらい前から好き。もう元カレのこと好きじゃないなら、俺のこと好きになって。付き合ってください。」


「航平の馬鹿」


wtnb「なんd、！！！！」


手だけじゃなくて全身暖かくなったと思ったら肩にAの顔が乗ってる。抱きしめられてんじゃん！


「もう好きになってるんだってば・・・好きだよ、航平。」


wtnb「・・・まじ？」


「まじ。」


wtnb「A！！！」


「こ、へ、くるし、」


Aに叩かれてるけど知るもんか。


wtnb「ね、もっかい言って。」


「何を？」


wtnb「おめでとって。」


「ん？・・・航平、誕生日おめでとう。」


wtnb「これからは毎年祝ってね？」


「ええ？まあ、いいでしょう。」


これからは毎年誕生日にLINEでおめでとうだけ来ることに寂しさを感じずに済むだけじゃない。
直接おめでとうって、お祝いしてもらえる。


wtnb「A、好きだよ。俺には我慢しないでよ？なんでも言って。思うことあるなら言って。幸せって我慢することじゃないから。」


「・・・うん。ありがと。大好き。」


幸せは我慢じゃない。
愚痴でもなんでも言ってこその俺たちじゃん。

今まで我慢してた分、Aを思い切り抱きしめながらそんなことを思った。


「苦しいっていってんでしょ！」


wtnb「いった・・・」


まあ、こんなのも悪くない。

-fin-

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