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ガラガラ
芽衣「A、お仕事お疲れさm・・・山本くん。いらっしゃい。」
ymmt「芽衣ちゃんこんばんは。」
芽衣「奥、空いてるから使っていいよ。」
「・・・ありがと。」
芽衣にありがとうって目で送ったら笑顔で返してくれた。きっと話が終わるまで注文を聞きに来ることはないだろう。枯淡の個室スペースに入ってお互いに座ると、祥彰が話し出してくれた。
ymmt「・・・ね、Aちゃん。」
「・・・ん?」
ymmt「さっき、抱きしめてくれたってことはさ。俺、フラれたこと、もう忘れてもいいかな。」
「・・・話、聞いてくれる?」
ymmt「うん。」
それでやっと、海外に行くことを祥彰に話すことが出来た。
でも、話すだけで終わる話じゃなくて。
本題はここから。
「それで、祥彰に2年待っててって私、言えない。2年間、会えない間に祥彰の1番じゃなくなるかもしれないって恐怖に勝てないし・・・信じきれない。」
ymmt「だから別れてって言ったの?・・・馬鹿だなあ。」
「だって、2年だよ?会わないと分かんないこといっぱいあって、会えない間にも出会いはそこらへんに転がってて。それにあっちに行ったら、特に最初は、仕事でいっぱいいっぱいで、祥彰に好きでいてもらう努力、出来ないと思う。」
ymmt「・・・芽衣ちゃんに努力って言われたんでしょ?」
「え?」
ymmt「好きでいてもらうために努力しないといけないって、言われたんじゃないの?」
「まあ、」
ymmt「芽衣ちゃんがネガティブ思考なの忘れた?そりゃね、芽衣ちゃんの言ってることだって正しいよ?何もしないで好きでいてくれる、って怠けてたらダメなのは合ってると思う。でもさ、好きでいてほしいから努力するって片方だけがすることじゃないじゃん。きっと芽衣ちゃんのとこだってそうだよ?須貝さん芽衣ちゃんのこと大好きだから喜んでもらいたいって頑張ってる。」
「・・・そうだね。」
ymmt「片方が大変で努力できないならその時はもう片方が頑張ればいいじゃん。僕、Aちゃんが全然LINE見てくれなくたって毎日連絡するくらいできるよ?なんなら無視されるの2回目よ?」
「・・・ごめん。」
ymmt「それだけ僕もAちゃんのこと好きなんだよ。だからさ・・・結果はどうなるかなんて分かんないけど、今別れるなんて答え、出さないで。」
私、祥彰の1番、やっぱり誰にも譲りたくない。
頷いたら縦に振った拍子に目から涙が零れ落ちた。
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神影(プロフ) - 大好きです。本当に最高。 (3月22日 23時) (レス) @page37 id: 690f341ea7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たらこ | 作成日時:2021年5月13日 19時