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「A?どうかしたの?」



ほくちゃんのその声にハッと我に戻った
私の視線の先にいる、川村壱馬を見たほくちゃんは眉間にしわを寄せた


「…知り合い?」


「知り合いってほどでは…」



ふーん、とあまり興味がなさそうに呟いたあと、ほくちゃんはまたトムのところに行ってしまった
私もそのままカウンターに戻って、お姉ちゃんのお手伝いをする


「A〜!これ、テーブルに持って行って!」


「はーい」



両手にビールのジョッキを持つ
これが意外と重くて大変で
こぼさないように、落とさないようにそーっと歩く



「ほっそいのにそんな持てるんやな」


「あ、川村さん…」


「壱馬でええよ。(笑)」




そう言った後、私の持ってるジョッキを半分持ってくれた。


いい人なんだな〜、と関心してしまう


だけど、どうも何を考えてるのかいまいちわからない、なんて、彼の後ろ姿を見ながら考えていた


「ビールお持ちしました〜!」


「あ、こっちっす」



お酒を飲んで少し赤い顔をした佐野さんが左手をあげた



「どうぞ、」


「Aさんってさ、幽霊、信じる?」


「幽霊、ですか?」


「そ、幽霊」



見たことはないけど、信じてないわけではない
だけど、それがどうしたと言うのだろうか



「この町の廃墟に、出るらしいっすよ」


「へぇ〜、そうなんですね…」




やっぱり佐野さんって不思議な人だ
なんて、呑気なことを考えてたその時だった
なんだか肩が重い、と感じた時にはもう遅く、すでにアキラさんに捕まっていた



「おっ、廃墟?面白そうじゃん、行ってみよーぜ!!おーいみんな!肝試しやるぞ肝試し!!」



その声に皆が楽しそうな声を上げる
嘘だと思いたい。私はそういうのは苦手だ。

誰にも気づかれないうちにそっと厨房に戻ろうとしたところをアキラさんに捕まえられた



「なーに逃げようとしてんだよ!Aも参加に決まってんだろ!?」



ああ、これだから酔っ払いは嫌いだ



逃げられなくなってしまった私は、ついでにトムとじゃれてるところを捕まったほくちゃんと、剛典さんと一緒にアキラさんの車に放り込まれた。


運転はアキラさん、助手席に佐野さん、そして後列に私、ほくちゃん、剛典さんの順番で座る



道中、突然佐野さんがこんなことを言い出した



「すいません、今思い出したんすけど、こういうの奇数で行ったらダメらしいっすよ」







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ねこ(プロフ) - kahonさん» ありがとうございます!現実設定ではないですが、全員ダンス仲間です!説明足りてなくてごめんなさい、、、ゆっくり更新になると思いますが楽しんでいってください!! (2019年8月4日 9時) (レス) id: b274df5a0a (このIDを非表示/違反報告)
kahon - とても面白くて、一気に読んじゃいました(笑)。あと、疑問に思ったことがあるんですけど、この作品に出てくるLDHメンバーって、リアル設定なんですか?よければ、教えてほしいです!これからも楽しみにしてます。頑張って下さい^^ (2019年7月20日 20時) (レス) id: 0e3b0babab (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねこ | 作成日時:2019年7月19日 6時

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