面倒くさくてごめんね。((Ht))

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無茶振りで注文してしばらくすると彼がやって来た







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『好き嫌いないって言うから本当の俺のイチオシ持ってきた』





「わ、ありがとう」







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テーブルに置かれたのはキウイのヨーグルトケーキ、とやら
あと、いつも頼んでるアイスティーも付いてきた







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『保証は出来ないけど、口に合わなくても責めないでね』





「いやいや、むしろありがとう！」







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んじゃ、ってテーブルを離れようとする松村くんを前に早速一口運んでみれば、
口の中にキウイとヨーグルトの酸味とあとから来るケーキとしての甘みが広がって思わず目を見開いた






そのままパッと松村くんを見れば私の顔がどんだけ可笑しかったのか知らないけどハハッて声に出した







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あ、そんな風にも笑うんだな







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『お気に召したようで良かったです』





「もっと早く頼んでれば良かった」





『そこまで言ってくれんの？選んだ甲斐があったな』





「松村くんにお願いして正解だった」







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初めて来たときこのお店のケーキ制覇したいってほざいてたくせにりんごタルトに心奪われてからそればっかだったからやっぱ今日来て良かったかも







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あ、松村くんの足を止めちゃってたな






そう思って話を終わらそうとしたのに、松村くんは空のトレーを手にしたまま何か言いたげ







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「どうしたの？」





『…ん？あー、や、なんでもない』







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私に聞かれるとハッとしたようになんでもないって答えた






関係のない考えごとでもしてたのだろう、問い詰める関係でもないし私も私でそのまま受け取っちゃって







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そのときから謎に松村くんの様子が可笑しいような 気のせいだとは思うけど







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『あ、帰る？』





「うん、ごちそうさまでした！」







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カバンに入れていた本の続きを読みながらカフェで過ごして1時間ちょい、大きく伸びをしてから席を立ち伝票をレジに持っていけば違う店員さんが担当してくれたんだけど会計を終えてお店を出たらゴミ捨てに行ってたであろう松村くんに会ってもう一度お礼を







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それと同時に秋風が吹いて、寒い！帰ろう！って






なのに松村くんは"…あ！ちょっと待ってて！"って私を引き止めた







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