九話* ページ10
「コビーに船を一隻やれ！こいつは海軍になるんだ！」
「は、はぃい！！
私が呼び止めたクルーにルフィ君が言い渡し、それをビビった様子で承知したクルー。
こうして舟を半ば強引に入手した私たち。その舟をコビー君に譲り、次の島まで乗せてってもらうという寸法だ。
うん！アルビダ編、無事完結かな！
船ももらえたことだし、『めでたしめでたし』ってやつだね！
ってか、ほっとんど原作通りになったね。これも歴史や運命の力ってやつかしら。
…航海中…
舟に揺られる感覚……。私船酔いに強くてよかったぁ、船乗りなのに船酔い持ちってかなり致命的な問題だからね。
港町で育まれたこの私を甘く見るでないわぁー。
蒸気を蒸かし、私は彼方に見える水平線を視る。
この世界に持ってこれた数少ないモノのうちの一つ、電子タバコ。
多分この世界に来る前に身に着けていたものがそのままになっているらしい。
ご都合主義さん様様だわ。
「いや〜、コビーが航海術持っててよかった〜！」
「海に出るために必要なことだけですけどね」
「私もルフィ君も、航海術なんて全く知らないからねー」
「よくそれで海に出ようと思いましたね……」
「アハハハ！まいったまいった！」
「それほどでもある」
私とルフィ君の様子を見て、コビー君はあきれたように頭を抱えた。
いやはや、まいったものだ。
私が蒸気でジェットボートみたく加速しようと試みたのだが、加減ができないうえほぼまっすぐにしか進めないので、逆に遅くなってしまう。
だから船漕ぎはコビー君に一任している。
さて、次の島は海軍基地の島。
モーガンは実際に見るとどんな感じなのかなー、あの顎ね。
そして、何といってもゾロ！！
「ところでよコビー、おれたち今どこに向かってんだ？」
まったく、私が期待に胸を膨らませているところにルフィ君が水を差してきた。
ほんと人の話聞かないな〜、さっきその話したばっかなのに。
「Aさんも大変ですね……。」
たはぁ、コビー君に心配されちゃった、コビー君は本当に人がいいなぁもう。
「あははぁー、まぁね。でも案外楽しいものだよ？」
本当に『こっち』に来てから楽しくて仕方がない。
「そうですか」
私の言葉を聞き、コビー君はルフィ君をじぃっと見つめる。
「アハハ。確かに……。ルフィさんと居ると、退屈しませんね」
「そそそ、常にハラハラさせられるからね。」
まだ付き合い始めて間もないけれど、本当に楽しいということを実感できている。『こっち』にきて、よかった――のかな？
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作者名：シーデン | 作成日時：2017年1月17日 21時
