四十八話* ページ49
海に揺られてぶらりんこ。
この小舟の感覚も久しぶりだ。海原に、つまり危険に身を置くことにも慣れたものだ。いやはや人間の感覚ってのは、実にお気楽にできているらしい。
「まだかなぁーめしぃー」
ルフィ君が、涎を垂らしながらフォークで机をこつこつと叩く。マナーとしては最悪だけれど、仕方ないと思えてしまう。だってさっきからサンジが調理してるにおいがこっちにまで来てるんだもの。お腹が鳴っちゃいそうだよ。
「そうだねぇ！この感覚、溜まらないよ〜！」
そうしている間にサンジが料理を持ってくる。
「Aちゃーん♡お待たせぇー♡……後、お前らも一応食え」
んふふ、やっぱりサンジって男の扱いはひどいね。
「「わぁーい！！いただきます！」」
私たちが食事をしていたらその匂いにつられた、モームが出てくる。
「ギョエエェァ！アァ、アネキィ！そのメシ早くその化け物にやってくだせぇ！こっちが食われちまう！！！」
「んだと！こんの！おれのメシだぞ！」
ルフィ君が腕をブンブンと振り回し、モームをぶっ飛ばそうとするが、サンジに強く止められる。
「待て！腹減ってる奴をむやみにぶっ飛ばすんじゃねぇ！きっとこいつは怪我でもして自分で餌が捕れねぇんだ。さぁ、遠慮なく食え」
うぅん、料理人の矜持ってやつだぁね。
「おいおい！サンジぃ〜、そりゃおれとAのメシだぞぉ？」
「分かってる。だがな、船に乗ってる以上、食事の場では
うん、カッコいいんだけれど後ろに刻一刻とモームが迫ってるんだよねぇ。なんかシュールだ。
ありゃー、そんなこと考えてるうちにモームが蹴られてしまう。
そして角に紐を結ばれて船を牽かされる。牛車ならぬ牛船。
さて、そんなこんなで私達はアーロンパークを目指し、海をかける。
「見えました！ルフィのアニキ！アーロンパークです！！」
「いけぇー！アーロンパーク！！」
すると、パークに近づき自信を取り戻したのかモームが暴れだす。
「おぉおおっ！！？」「ぎゃぁぁぁあーーーーー！」
「Aちゃんっ！」
そのせいで、船が吹っ飛んでしまう。さてと！ゾロをちゃんと救わなくちゃね！なんたってあの怪我なんだからね！
「うおー！あ！」「ゾロ！？危ない！！」
よーし、演技も完璧！
その後畑をつき進み、壁にあたり船が木っ端微塵になってしまうが、まぁ皆無事だしいいとしよう
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作者名：シーデン | 作成日時：2017年1月17日 21時
