二十九話* ページ30
「ク、クラハドール…じゃ、ない……！」
わなわなと震える両手で、ピストルを構えるカヤちゃん。
こんなか弱い根っからの女の子にこんな事をさせるなんて…！
「オヤお嬢様、危ないですよ？こんな物」
「おい！それ以上カヤに近づくんじゃねぇ！！」
優しい口調のまま擦り寄るクロを、ウソップ君が制止する。
「おぉ、ウソップ君か。そうだ、キミつけられたこの頬の傷だがね、痛くは無いのだが如何しても疼くんだ。オメェみてぇなガキにこの俺が傷付けられとあっちゃあなァ！！！」
「ひぃっ！！」
ヤバい！クロの猫の手がカヤちゃんからウソップ君に狙いを移す。
「スチームパンチ！」
「あぁ…？何だ？」
私は拳以外を蒸気化させてクロに向け飛ばす。威力こそないが、動きを止めるには十分！
その隙をルフィ君についてもらう。ビバ他力本願！
「ルフィ君！今だよ！」
「おう！ゴムゴムのぉー！ピストル！」
ルフィ君の技をくらい、後ろにふっとぶクロ。
流石の百計のクロでも能力者二人の攻撃は防げない。
「チィ…。中々珍妙な技を使うな。お前ら、能力者だな？」
「あぁ！ゴム人間だ！」「私は蒸気人間」
「ジャンゴ…てめぇはカヤお嬢様を殺れ。こいつらは俺が殺す！！」「OK！」
良し原作通り、ならばこっちも迅速に対応させていただこう。
「ゾロ！ナミちゃん！ウソップ君！カヤさんを護って、森の中に！！ルフィ君！私たちはあいつを倒すよ！」
「「おぉ！！」」
皆の掛け声とともにクロが抜き足で攻撃してくる。なぁに！私に任せなさい！
見えない攻撃？受けなければどうということは無い！
「スチームカーテン！」
目隠し！これで正確な位置はつかめまい！
「小癪な…！・・・。もういい、もとより全員殺す気だった。」
ヤバい！あのモーションは…！杓死！
いきなりそれって、かなりボルテージ上がってんのね、相当イラついてた？
「ルフィ君！何か変だ！気をつけて！」
「そうか？ただブラブラしてるだけじゃん」
杓死中のクロにチマチマ高温スチームをあてるが、クロは止まらない。物理的なダメージが少ない！
くそ、速い！！流石剃より速い技、予測しても中々どうして当てられない！
ギャーー！キャプテンやめてくれ！グハァ！
悲痛な叫びがこだまする。
「お前…！仲間を！なんだと思ってるんだ！」
「グフゥツ…！テメェ…！」
ルフィ君の怒りの攻撃でやっとクロの動きが止まる。
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作者名：シーデン | 作成日時：2017年1月17日 21時
