二十六話* ページ27
「ふんっ、今こそ得意のホラでも吹けばいいものを…ッ!」
「っ!」
自分が誇りに思うことを、尊敬する事を揶揄されて、ウソップ君は怒りに任せてクロを殴る。
「だから!誇りを持っているから!海賊の子であることを偽る訳にはいかねぇんだ!わかったか!このバカ執事!!」
「ウソップさん…!クラハドール…!」
「痛いですねぇ…ウソップ君…。お嬢様、少々お待ちを。こ奴らは私が」
「止めてクラハドール…!もういいからっ…!」
カヤちゃんがその華奢な体を窓から出して小さく叫ぶ。蚊の鳴くようなか細く弱い声だけれど、確かに私の耳に届いた。つまりは渦中の二人にも聞こえているはず。
「このバカ執事!!」
「悔しかったら鳴いてみろ!メェーって!」
ルフィ君それは羊。クロは執事
似て非なるものだからね?いや別に、似ているわけではないのだけれども。
それから場面は移り。ルフィ君たちがクロの計画を聞き、私たちに話す。
「で、つまり?アンタの友達の執事が、お嬢様や村人たちを殺そうとしているわけ」
「あぁ、その通りだ。…おれは、この村が好きだ!…だから、この事を全てウソにする!いつも吹いているホラ話にするんだ…!」
「とんだお人好しだ、子分さえ突き放して、一人出陣とはな」
「言っとくけど、お宝は私のだからね!」
「よーし!!俺たちも加勢する!」
「うん!平和なこの村を守ろう!」
皆つくづく良い人なんだから、かくいう私も困ってる人に関わったらほっとけない性質だけどさぁ〜。
「お前ら…何でそこまで…」
「怖いって顔に書いてあるぜ?」
「おれが、こ…怖がってる?はっは、何を言うかと思えば…いいか、このおれは!ゆ、勇敢なるう、海のせんっ…戦士!ウソップ様だ!!」
見栄を張るウソップ君だが、その声はバイブレーションよろしく震えており、膝は大爆笑だ。
「でも膝が笑ってるよ?素直に頼って、あの真っ黒さん。私たち嫌いだし」「おぉ、ぶっ飛ばしてやるぞ!」
「〜!お前ら!」
それから対策を練ることに。いいねぇ、戦略ゲームみたいだ、高揚感がわいてくる。
「まずは、お前らは何ができる」
「伸びる」
「斬る」
「盗む」
「浮かぶ」
「よし、おれは隠れる!」
「「「お前は戦えよ!!」」」
ヒュゥ、息ぴったりにルフィ君達三人がツッコミを入れる。
この手のギャグは揃わないとね!
「冗談だって、こええなぁ」
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作者名:シーデン | 作成日時:2017年1月17日 21時