十八話* ページ19
「えへ、すんませんでした。えへ」
「謝るなら、さっさと漕げ」
怖い。ゾロ、まさに鬼の形相である。
「へっ、へい！」
私の力で急加速して、何とか鳥に追いついた私たちは、今度こそ距離を保つためにバギー一味に舟をこがせている。やっぱり大人数ってのはいいねぇ〜。
格段に楽なのだわ。
…航海中…
件の鳥は、町の中心と思しき方向に向かっていった。ここまでは原作通りだね。
「ほらほら！陸が見えてきたよー！はやく〜」
「へっ、へいっ！」
あれが、『オレンジの町』だっけ？バギーと戦う場所だー！
ドカーーン！！
「ッ！？」
び・・・びっくりしたぁ、バギー玉だなぁ。迫撃砲の音なんか生まれて初めて聞いたから、かなりビックリしたよぅ。
「おい、あの爆発はなんだ。」
「バギー一味名物のバギー玉でさぁ」
「バギーぃ？なんだそりゃ」
「旦那、バギー船長をしらないんで？」
「あぁ、知らねえ」
…説明中…
「つまり、あそこに行けばルフィはいる。と」
説明を聞いたゾロが端的に意見を言う。全くもって、その通りである。
ルフィ君有るところにトラブル有り。常に渦中の人となっているのが我らの船長である。
「よーし！いくよ〜！しっかり摑まっててね！」
浜に居た一味を置いてきぼりにしてゾロを摑み、いつぞやのように跳ぶ。
いや〜、便利だなー。『スチスチの実』。
「こりゃあいい、舟ン時とはまた違った感覚だ。」
これには、またまたゾロもご満悦だね。そりゃあこの世界では中々味わえないであろう感覚だからねぇ。存分に堪能してくれたまえ！
…浮遊中…
私たちが到着したときには、ナミちゃんが大砲の火を消そうとしている瞬間だった。
「ゾロ！おろすよ！」「おぉ」
ゾロを近くにおろし、高速で蒸気を噴射させる。
名付けて『ソニックスチーム』。良し、ちゃんと火を消せたみたい。
「おおぉ！」
「え？な…なに？」
ナミちゃんはまだ何が起こったのか分かってないみたい。そりゃあそうだろう、いきなり何か煙のようなものが噴射してきたんだから、驚くのも頷ける。
「危ない！後ろ！！」
しまった！忘れてた！
一人納得してる場合じゃなかった！お願い、ゾロ！間に合って！
キィインッ…
「女1人に何人がかりだ？」
ヒュぅ〜〜、決めてくれるねぇ。私の尻拭いをしっかりとゾロがしてくれた。
グッジョーブ！
「A〜！ゾロ〜！」
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作者名：シーデン | 作成日時：2017年1月17日 21時
