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『………私は、BinTRoLLにはもう……戻らない』
加「クロウと関わらせないためですか?」
『…』
加「みなさん、寝る間も惜しんであなたのことを探してます」
『私のことを……』
そうなることは想像していた。 みんなは優しいから。
BinTRoLLに戻りたいといえば、こんな形で去った私を、きっと嫌な顔せず受け入れてくれるだろう。
…でもそれじゃ、ダメなの。私はBinTRoLLをクロウから遠ざけるために離れたんだ。
なのに、ボスは彼らにクロウに関わる危険な仕事を任せようとしてる。
それなら私が離れた意味って?
…………どうすればよかったの?どうすることが正解だった?
加「A様……もう少し彼らに助けを求めてもいいんじゃないですか?」
初めてBinTRoLLのみんなと会った日。
家族を失ったことがきっかけで、笑顔の作り方、人との接し方。全て分からなくなってしまった私は、側から見るとすごく無愛想で生意気な女だったと思う。
名前を名乗った後、なにも話さなくなった私に、美味しいご飯を作って笑いかけてくれたみんな。
どれだけ冷たく対応しても優しくしてくれたみんな。
私に笑顔を取り戻させてくれたみんな。
『これ以上、何を助けてもらうの』
加「A様…」
彼らと過ごした日々を思い出すと胸がキュッと締め付けられた。
まだ離れてから数週間しか経ってないのに、もう何年も会ってないようなそんな気持ちになる。
仕事が終わって誰もいないホテルに帰る日々。…部屋に入った途端、孤独を感じる。
私はいつでも無くなってから気づく。大切な人の存在に。
いつの間にかBinTRoLLが私の帰る場所になってたんだ。
…………会いたいな、
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おゆき(プロフ) - meさん» ただいまです!お待たせしてしまってすいませんでした。ありがとうございます!また少しずつ更新していくので、見ていただけると嬉しいです! (2021年5月18日 18時) (レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - おかえりなさい。また公開してもらえて本当に嬉しいです。無理だけはしないでくださいね! (2021年5月18日 12時) (レス) id: 47178bfabc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おゆき | 作成日時:2020年11月13日 14時