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ページ29

あー泣いた…めっちゃ泣いてしまった。やばい……こっからどうしたらいい…?と、恥ずかしさが押し寄せてくる。




し「……へ?」

は「…ど、どうしたの、」



内心焦ってると、しるこさんとはこたろーさんがタイミング悪く現れた。




『いや、これは、あのぉ……』



私たちを見てポカーンと口を開いたまま止まった2人に何ていうか考えていると、じらいちゃんとかるてっとさんが私から離れて行った。


ーー少しだけ、寂しかった。





か「俺らはいちはちさん呼びに行くか」

じ「そうだね!さっき仕事から帰ってきてたし」

『えっ?!行っちゃうの!?!?』



今?!このタイミングで居なくなっちゃうの?!


焦る私の頭に手を置いたかるてっとさんは「また、あとでな」と笑った。





また、あとでーーー。




以前なら何も思わなかった。本当に何気ない一言。それでも今は、すごく心がぽかぽかした。



かるてっとさんとひらひらと手を振るじらいちゃんに笑ってから、私はしるこさんたちへ視線を移した。



2人は未だに状況を飲み込めずにいて、私は手招きしてみる。…2人にもちゃんとお礼を言わなきゃ。



私の元へそろそろと来た2人は、私をじっと見てからどこか安心したような表情を見せた。



そして私よりも先にしるこさんが口を開いた。




し「……今回ばかりは説教でもしてやろうかと思ってたけど、そんな顔見せられたらどうでもよくなっちゃった」

は「そうだね、」

『??』




首を傾げる私に、しるこさんは手に持っていたマグカップをベッドの横のテーブルにそっと置いた。甘い香りが広がる。




『ココア…?』

し「うん、好きでしょ。みんさんから目覚めたって聞いたから作ってきた」

『……ありがとう、』

は「体は?どう?」

『自分一人でトイレすら行けないって感じかな』




そっと手をあげるけど、痛みで顔を顰める。


数分間手を上げていることもできない。これは仕事に復帰出来るまでかなり時間がかかりそうだ。




し「……ごめんね、」

『…なんでしるこさんが謝るの』

し「もっと俺が早く駆けつけていけたら、」

は「…、」





…かるてっとさん達も同じこと言ってたな。



唇を噛むしるこさんと、その横で悔しそうな顔をするはこたろーさん。私は痛みで痺れる腕を上げて、2人のお腹に力一杯拳をぶつけた。




『馬鹿、』


ここに居る人たちはみんな、どうしてこうも優しいんだろう。

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おゆき(プロフ) - meさん» ただいまです!お待たせしてしまってすいませんでした。ありがとうございます!また少しずつ更新していくので、見ていただけると嬉しいです! (2021年5月18日 18時) (レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - おかえりなさい。また公開してもらえて本当に嬉しいです。無理だけはしないでくださいね! (2021年5月18日 12時) (レス) id: 47178bfabc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おゆき | 作成日時:2020年11月13日 14時

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