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じらいちゃんside




かるてっとさんの言葉で、シンと静まった病室。



トランプをシャッフルしていた手も無意識に止めて、かるてっとさんを見た。



驚いてるのは俺だけじゃない。



だって、Aの両親のことは本人が話してくれるのを待とうって話をしたところだったから。




『…………誰から聞いたの』



聞いたことのないくらいAちゃんの低い声が病室に響いた。



か「そんなこと今はどうだって……」

『誰から聞いたの…!!!!!!』

か「…!」

い「A!そんなに激しく動いちゃダメだ!」



掴みかかる勢いで体を起こしたAちゃんをいちはちさんが抑えるけど、「離して!」と聞く耳を持たない。



じ「Aちゃん、傷開いちゃうからっ」

『みんなも知ってたの?』

じ「…っ」

し「俺が話した」



かるてっとさんから視線を移動させたAちゃんが、睨むようにしるこさんを見つめる。


今にも飛びかかりそうなAちゃんをいちはちさんと抑えながら、俺は何て言ったらいいのか分からず口を閉じる。




『ボス、から聞いたの?』

し「たまたまボスたちが話してるを聞いてしまったんだ。Aの両親が殺されたって。聞いたのはそれだけ。それ以上のことは何も知らない」



それを聞いて悔やむように唇を噛むAちゃん。


その表情から、俺らには知られたくなかった。そんな思いが伝わってくる。




か「お前が抱えてるものも全部話してほしい。…………力になりたい」



それは俺がずっと思ってた言葉。言いたかったけど言えなかった言葉。


かるてっとさんが言ったことで気づいた。俺はAちゃんの意思を尊重するようなことを言ってたけど、結局拒絶されることを恐れてただけだった。


こう言う時いつも先陣を切って行動してくれるのはかるてっとさんやしるこさんで。俺は後ろをついていくだけ。


それで結局、Aちゃんに怪我までさせた。


一人でAちゃんが突っ走る前に俺が話を聞いてあげていたら、こんな怪我もしなかったかもしれない。



このままじゃ、だめだ。俺も変わらないと。



じ「俺も……俺もAちゃんの力になりたい……一人で悩まないでほしい」

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ゆうきん(プロフ) - 狼谷さん» いつも読んでくださりありがとうございます。リクエストもありがとうございます。参考にさせていただきます! (2021年1月2日 17時) (レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
狼谷 - はじめまして!いつ者です読んでいますめちゃくち大好きです!リクエストなのですがしるこさんと一緒に恋人の振りをして浮気調査するのはどうでしょうか?これからも応援しています! (2020年12月13日 23時) (レス) id: 3f56a3b857 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうきん(プロフ) - すずらんさん» ありがとうございます…!嬉しいです。徐々に恋愛の方にも寄せて行こうかなと思っています。 (2020年8月24日 12時) (レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
すずらん - このお話大好きです!恋愛方面にも期待しちゃっていいですか? (2020年8月23日 21時) (レス) id: 930f05f5ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆうきん(プロフ) - あめさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます…!!マイペース更新ですが頑張ります! (2020年8月23日 14時) (レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おゆき | 作成日時:2020年8月13日 10時

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