青城マネは喋れない!!【ハイキュー！！】

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Aサイド

あの後、部室まで走って、止血して、戻って、ボトル洗って、記録取って……


あと何したっけ?


……まぁ、やった内容忘れるくらい仕事しました。


あと、腕痛い
動かす度に激痛走るんだが、


と、身体的にも精神的にも死にかけたところで部活が終了


かつて、これほどにまで幸せを感じたことがあっただろうか……?
断言しよう、ない!!決して!!


片付けさえ終わらしてしまえば家に帰れる!!
当たり前だけど日芽香ちゃんは帰っちゃうので一人です、イェイ。


「ん〜!最後のひと踏ん張り、頑張りますか〜!」


誰もいないからやっと声出せた
実際は喋れるのに声隠さないといけないから本当に辛い
改めて、兎鞠の存在がいかに素晴らしいかを再確認する
……どうしようもない変態ではあるが


ふぅ、と一息ついてからネットに手を伸ばす
怪我をしている方の


「……っ!!」


当たり前だけど痛かったです
私馬鹿なのかな?
痛すぎて声すら出ないって現実にあるんだね


新しい知識が増えて嬉しいけど、経験はしたくなかったかな?!うん、日芽香ちゃん恨むぞ!!


「……どうしよう、片付けまともに出来ないよ…これじゃ」


「頼ればいいんじゃないか?」


……え?
いるはずのない人の声がして、思わず凍り付いた


……どうして?さっき、帰ってるの私見たよ…?


「心配で戻ってきたんだよ。紫吹、怪我してんだろ」


「……何で、心の声読めるんですか…?……岩泉先輩」


「そう言いたそうな顔してたからな」


ギギギッ、と音がなりそうな首を無理矢理動かして、後ろを振り返る
そこには、分かりやすいんだよお前、とでも言うような表情をした阿吽の片割れがいた


「……どうして、怪我してるの知って…?」


「胡桃にな、テーピング頼んだら、今きらしてるって言われたから部室まで取りにいったんだべや」


その時に、と苦笑いされた
いや、ちょっと待てよ…何か違和感が…


「…?私が確認した限り、まだ予備が沢山残っていたはずですが…?」


日芽香ちゃん、自分がテーピングまともに出来ないから嘘ついたのか
あいつめ、岩泉先輩の貴重な練習時間奪いやがって


「まぁ、それはいいんだけどよ、一つ聞いていいか…?」


ビクンッ、とめちゃくちゃ分かりやすく身を震わせてしまった
でも、そんな私に構わず、彼は決定打を打った


「なぁ、紫吹ってもしかして……星ノ宮テラか?」

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