最適解が分からない【wrwrd】

26つ目の解答 ページ28

Aサイド

ゆっくりと、決して走ることなく僕は進んでいく


そう、僕は文字通り、敵の隊列の中を“歩いて”いた


前方から袈裟切りに切りかかってきた“死”を横に少しずれることにより避け


後ろから不意打ちとばかりに突きを放ってきた“死”を大きく前に倒れることにより避け


出来た隙を逃すまい、とばかりに挟み撃ちをしてきた“死”を無理な体勢のまま上に飛んで避け


あと、数メートル
そこまでいけば、僕の役目は終わる


また、僕の進路を邪魔するかのように立ち塞がってきた“死”に蹴りを叩き込み―――


目が、あった


希望なんてない、訪れるであろう死を少しでも先延ばしにしようとする
生への執着が一切消え失せた、そんな目


はっとして周りを見渡せば、同じような目がユラユラと浮かんでいて


僕の中で、“死”が“人”に変わる


何かが、おかしい
そう、気付くには余りにも僕は遅すぎた


「……目標地点、到達。ミッションコンプリート」


僕の口は僕の制御下を離れて死の唄を紡ぐ
このままでは、このままでは!!!


僕はどうすればいい?


どうすれば、僕はみんなに幸せを享受出来る?


どうすれば、どうすれば、どうすればどうすればどうすればどうすればどうすればどうすればどうすればどうすればどうすればどうすればどうすればどうすればどうすればどうすればどうすれば!!!!


頭が、焼けるように熱い


時間にすれば数秒も経っていない
そんな中で、得た僕にとっての最適解


まだ、間に合う――――


視界が、白く染まった

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