主役はあの子 ページ32
B-CLASS IDOL side
『GC‐Queen』の『Soara』
主役になるために生まれてきたみたいな、特別な人。
冷艶な瞳にすっと通った鼻筋、雪に溶けてしまいそうな柔肌に彩りを落とす、形の良い唇。口元の艶ぼくろと細く引き締まった長い手足。
神に祝福されたような美しさに、私は憧憬の眼差しを向けた。
歌にダンスにラップ。更には作詞作曲や作品のプロデュースまでこなし、アイドルという肩書きさえ窮屈だと言うかのような限りない才能。
神に愛されたような才能を目の前にして、私は所詮凡才の身でしかないのだという事実を突きつけられ、絶望した。
そこにいるだけで存在感を放ち、何もしなくても人を惹き付ける何かが彼女にはあって、氷細工のような瞳と花弁のような唇を綻ばせるだけで人を夢中にさせられた。
神さえ羨むであろう底知れない魅力に、私は惨めにも嫉妬の念を抱いた。
私もあの子みたいになりたかった。
整形なんて必要ない美しさが欲しい。
人から羨まれるような才能が欲しい。
皆に無条件で愛される魅力が欲しい。
欲しくて、羨ましくて、妬ましかった。
『ちょっとチェウン、これから練習室行くんだから早く準備してよ』
『はぁーい･･･』
私を急かす声に促されるまま、重い足取りで支度を始めた。軽くメイクを済ませて服を着替え、リュックの中から日焼け止めを取り出して、新しく買った靴に足を通しながら体に塗りつけていく。
『もうマネージャーさん来たよ!』
『今行きまーす!』
雑に日焼け止めをリュックに押し込んで外に出れば、まだ朝の6時とは思えない日差しが容赦なく照りつけてきて嫌になる。
早足でバンに乗り込み、いつものようにスマホを起動してインスタを開いた。
『(あ･･･ソアラさんのインスタ更新されてる)』
もはや習慣と化してしまったこの行為。
彼女の華々しい姿を見たところで、劣等感に嫉妬、後からついてくる自己嫌悪で自分の頭を悩ませるだけだというのに。
画面の中、プールの付いた豪華なコテージを背景にこちらを見つめる彼女は、細く引き締まった体に白いワンピースを身に着け、真珠のような肌を惜しげもなく晒している。
きれいで、完璧で、自分とはまったく違う。
『(･･･わたしも)』
こういうところでブランド物の衣装を着て、インスタにそれを投稿して、みんなに羨ましがられたかった。
『･･･ばかみたい』
羨んだって、手に入る筈無いのに。
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塩水(プロフ) - M氏さん» M氏様、お久しぶりです。返信が遅くなってしまい申し訳ございません。シリーズ初期から絶えずに応援してくださり、本当にありがとうございます。更新継続とは断定できませんが、これからもこの作品をよろしくお願いいたします。 (7月16日 13時) (
レス) id: e6fc576be3 (このIDを非表示/違反報告)
M氏(プロフ) - スランプや気持ちの問題もあり、とても大変だったのにも関わらず更新をしてくださり、本当にありがとうございます！ずっと待ってた甲斐がありました！！私はずっと待っているので、義務感を感じずに、好きな時に更新をして下さい(o^^o) (2022年9月18日 9時) (レス) @page36 id: 594e8bb1fc (このIDを非表示/違反報告)
塩水(プロフ) - M氏さん» それと、シリーズ初期からいつも応援ありがとうございました。M氏様のコメントは私にとってモチベーションであり、作品を書き続ける理由の1つでした。本当にありがとうございます。 (2022年9月17日 0時) (レス) id: ca8e68c7c0 (このIDを非表示/違反報告)
塩水(プロフ) - M氏さん» M氏様、コメントありがとうございます。返信が遅れてしまい誠に申し訳ございません。色々と心配をかけてしまったようで、とても申し訳ない気持ちです。途中で歩むことを止めてしまった半端者ですが、これからも作品を愛していただけると幸いです。 (2022年9月17日 0時) (レス) id: ca8e68c7c0 (このIDを非表示/違反報告)
M氏(プロフ) - とても面白い作品ですね！！日常生活が大変で更新できない状況だと思いますが、いつか更新されることを楽しみに願っときます！ (2022年2月28日 23時) (レス) id: ddd21ef981 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：塩水 | 作成日時：2021年4月24日 18時
