遅刻は厳禁 リリー ページ15
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ただの劇場スタッフが
芸人さんを好きになってしまった
しかもよりによってこの人に。
「リリーさん？帰らないんですか？」
「A、どうぞ」
「どうぞ、とは？」
夜遅い時間にまだ楽屋に残っていたリリーさんは
全力で両腕を広げて私を待ち構えていた
「ハグしよ」
「え、」
「キスしよ」
「い、嫌ですよ！」
また始まった、いつもの冷やかし。
向こうは本気じゃないって分かってるのに
好きな人にこんなこと言われて
情けなくも顔は熱くなる
「俺明日誕生日」
「そうですか、早く帰った方がいいと思いますよ」
時刻はすでに23時半
明日もきっと早いであろうリリーさんは
端からすり抜けようとする私を阻止する
「36歳の清水将企とのハグは今日で終わりやで？」
「わ、私には関係ないです」
「36歳の清水将企とのキスも今日で終わりやで？」
「そういうのは他の子にしてください！」
こんなの他の子にしてるなんて
火を見るより明らかなのに
きゅんきゅんしてる私は本当にチョロい
そして今日に限っていつも止めてくれてる
盛山さんや他の芸人さんが見当たらない
きっともう帰ったのだろう
リリーさんのこと祝ってあげたらよかったのに…
「なんで？」
「なんでって、どうせ他の子にもしてるんでしょ？」
と言って慌てて口を手で抑えた
なんか、今の言葉、まるで…
「嫉妬？」
「ち、ちが！これは、！」
違くなくて、その通りで、
なんて言い訳したらいいのか分からない
「ちゃんと大事にするって」
「はい？」
「他の子にせんって」
「…信頼無さすぎるんですけど」
「それは俺のこと好きなん認めたってことでいい？」
なんで今日はこんなにも問い詰められるんやろ
いつもならもう終わってるはずなのに
「…今日、変ですよ」
「なんで？」
「いつもならもう冷やかし終わってるのに」
「最初から冷やかしてるつもりはなかったけどな」
振り回されるな、騙されるな、って
自分の中の自分の声がこだましてるのに
心はずっとドキドキして顔は赤いままだ
そんな私をもっと揺るがすように
低い声で言い放つ
「ずっと本気、俺は」
距離がどんどん縮まって
壁際まで追いやられて動けなくなる私
「ちょっと、ここ廊下、」
「ここじゃなきゃいいん？」
返事する前にグイッと腕を引っ張られて
誰もいない楽屋に閉じ込められた
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るうみ(プロフ) - ひきにくさん» 読んでくださりありがとうございます！！ちょうど今書いておりますのでもう少しお待ちくださいね(^^) (2021年7月15日 1時) (
レス) id: c9b7628ed8 (このIDを非表示/違反報告)
ひきにく - ありがとうございます。楽しみにお待ちしております。命懸けのお付き合い、読みました。素敵でした。 (2021年7月15日 1時) (レス) id: 5b926bea01 (このIDを非表示/違反報告)
るうみ(プロフ) - hicoさん» こんばんはhicoさん！そんな風に言ってもらえると嬉しくて軽率に舞い上がります笑 これからもゆずるさんのお話たくさん書かせてもらいます(^^)/ (2021年7月13日 2時) (レス) id: c9b7628ed8 (このIDを非表示/違反報告)
hico(プロフ) - こんばんはです(^ ^)最新のゆずるさんの話めっちゃ好きです、、、、尊い、、、 (2021年7月13日 2時) (レス) id: febdff73d6 (このIDを非表示/違反報告)
るうみ(プロフ) - ひきにくさん» 初めまして！リクエストありがとうございます！今こちらは下書きの時点で全ての話埋めてしまってるので移行した際にすぐに書かせてもらいます！少しお時間頂きますのでお待ちくださいm(_ _)m (2021年7月13日 1時) (レス) id: c9b7628ed8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るうみ
| 作成日時：2021年5月30日 21時
