愛より恋よりお笑いで (ページ46)

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・　（過去編）ページ46

「ただいまー」

私は家のドアを開けて靴を脱いでリビングに向かった

すると私の分のご飯が置いてあって椅子に座って食べ始めると目の前にお母さんが座った

母「今日、遅かったわね何してたの？」

「何ってさっき言うたやんか、学校で掃除しとったりちょっと寄り道しとっただけやから」

別にうそをつかなくてもよかったんちゃうかと思ったけど昔の先輩と同期に会ってたなんて言ったら

きっと凄く怒ると思った

私が病院に運ばれた時一番事務所の人に起こったのはおかんやった

母「私はこの子をこんな風にさせるためにお宅の事務所に入れたんちゃうぞ！

何でこの子の望むことをさせてやらんのや！！」

意識が朦朧とした中だったけどその言葉を聞いて涙が出るくらいうれしかったのは事実だった

だから誤魔化した、親の前特におかんの前では芸人や芸能の事を話したらアカンって思った

「今日のご飯めっちゃ美味しいで」

母「ホンマ？そりゃ嬉しいわ」

そっから無言になった、多分この話題に関しては触れてほしくないんだろうなって感じたのか

何も聞いてこなかった...でもそろそろ話さなあかんのかもしれへん、これからの事について

私は箸をおいて

母「どうしたん？急に箸置いて真面目な顔して」

「おかんには聞いて欲しくて、これからのこと」

そう言っておかんの顔を見た

母「何？これからの事って」

「今日、ホンマは事務所の先輩と同期の人と会ってた」

おかんの顔から笑顔が消えて真剣な顔になった

「その時思った、ううんその前から病院退院してからずっとなやっぱり私......

芸人の夢諦められへんねん」

母「あんなに辛くて嫌な目にあったのに？」

その言葉で今までの事が頭によぎった

確かに辛い目に合ったし悔しい思い嫌な思いにも沢山あった

それでもやっぱり芸人という職業に憧れがあるし嫌いになれなかった

どれだけ嫌いになれたらなんて毎回のように考えていたそれでも嫌いになれなかった

「確かに嫌な事いっぱいあったよ、何回も何回も辞めてやるって思ってたしマネージャーさんにも

言ったことあった、でもきっと辞めなかったのってやっぱり芸人って職業が私にとっての憧れだし

好きだったからなんだと思う」

そこまで言うとおかんはため息をついて私の通帳を戸棚から出してきた

「これは？」

母「あなたが事務所に所属してた時に出てたお給料」

「使ってなかったん？」

母「あなたが本当にやりたいものが見つかった時に使って欲しかったから」