愛より恋よりお笑いで (ページ30)

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森田さんが出て行ったとき私の目から涙がとめどなくあふれ出してきた

「ううっうっうっ......」

目をこすって顔から涙をぬぐったとしても逆にどんどん涙があふれ出て止まらんかった

もう人を信じるのが嫌になった

どうせ裏切られる、どうせ逃げられる、どうせ......私の前からみんないなくなる

「もう、何なのか分からないよ」

窓の外にのびのび青い空を悠々自適に飛んでいる鳥たちを見て

「羨ましい」

私は立ち上がって窓に向かって開けるとさわやかな風が私を包み込む

思わず窓に足をかけようとしたときに病室のドアが開いてみると驚いたような顔をした

マネージャーがそこに立っていた

「あっ...どうも」

マ「どうもちゃうわ！何やってんねん！！」

「外の鳥が凄く楽しそうに空を飛んでて、羨ましいなぁーって思うて」

そこまで言って私はベットに戻されて窓も絞められたときに鳥もどっかに言ってしもうた

「なんでそんな怒ってるんですか」

マ「俺はAが飛び降りるんちゃうかと思って...」

「飛び降りませんよ(笑)今は」

そう言ってベットの隣にある机から読みかけの本を出して再び読み始めた

すると読んでいる本を取り上げられて

マ「Aはこれから先どうしていきたい？」

「これから？」

マ「あぁ、マネージャーや会社としては秋ごろには活動を再開させたいっちゅうのが意見や

多分会社側は無理やり復活させる可能性も大やで、本来ならここまで会社としても休ませると

思わなかったから今度こそは復活させると思ってる」

「そう...なんですね」

マ「でも、でもな、俺個人の意見としては今活動を再開させるのは危険だと思うねん」

「......」

マ「それでな、もしまた今回みたいな活動休止ってことがあったらおそらく今度こそ...」

「今度こそ...何ですか？」

マ「今度こそAが、壊れてまう気がしてしゃーないねん」

「壊れるか」

マ「今まではAに決断させることなんて一回もなかった

それこそ芸風とかこれからどうやって芸能界で活躍していくのかさえも全部会社が決めてきた

だからAが望まないような仕事とかを沢山与えてしもうたんとちゃうかと思うてしまったんよ」

「決断...」

マ「これからの事一回自分一人で考えてみて決断してみてや

俺は別に無理に復活とかちゃう休みたいんやったら休みたいって言うって欲しいし何でもええ

Aが決断することに何も言わへん、ただAの気持ちが知りたいだけやから」